こんにちは。はーねうすです。
今回は、ショパンの「夜想曲全集」を紹介します。夜想曲というよりも「ノクターン」と呼んだ方がピンとくるかもしれませんね。
このアルバムはCD2枚組の全集になりますね。全集っていいですよね。
ピアノ演奏は、ダニエル・バレンボイム氏です。
ショパンの夜想曲ですね。第2番が有名ですよね。
そうだな。夜想曲の代名詞ともいえる楽曲だな。
目次
【着想】幻想の風景。
「ショパン 夜想曲全集」のコンテンツです。
夜に想う曲というだけあって、全体的に緩徐な曲が多いですね。また半音階や装飾が多様されているので、幻惑的な印象を受けます。
それだけでなく、霹靂のごとく曲調が変わる楽曲もあり面白いです。
CD1
No. | 曲名(1) | 曲名(2) | 作品番号 |
1 | 夜想曲 | 第1番 変ロ短調 | Op.9-1 |
2 | 夜想曲 | 第2番 変ホ長調 | Op.9-2 |
3 | 夜想曲 | 第3番 ロ長調 | Op.9-3 |
4 | 夜想曲 | 第4番 ヘ長調 | Op.15-1 |
5 | 夜想曲 | 第5番 嬰ヘ長調 | Op.15-2 |
6 | 夜想曲 | 第6番 ト短調 | Op.15-3 |
7 | 夜想曲 | 第7番 嬰ハ短調 | Op.27-1 |
8 | 夜想曲 | 第8番 変ニ長調 | Op.27-2 |
9 | 夜想曲 | 第9番 ロ長調 | Op.32-1 |
10 | 夜想曲 | 第10番 変イ長調 | Op.32-2 |
11 | 夜想曲 | 第11番 ト短調 | Op.37-1 |
CD2
No. | 曲名(1) | 曲名(2) | 作品番号 |
1 | 夜想曲 | 第12番 ト長調 | Op.37-2 |
2 | 夜想曲 | 第13番 ハ短調 | Op.48-1 |
3 | 夜想曲 | 第14番 嬰ヘ短調 | Op.48-2 |
4 | 夜想曲 | 第15番 ヘ短調 | Op.55-1 |
5 | 夜想曲 | 第16番 変ホ長調 | Op.55-2 |
6 | 夜想曲 | 第17番 ロ長調 | Op.62-1 |
7 | 夜想曲 | 第18番 ホ長調 | Op.62-2 |
8 | 夜想曲 | 第19番 ホ短調 | Op.72-1 |
9 | 夜想曲 | 第20番 嬰ハ短調 | ― (遺作) |
10 | 夜想曲 | 第21番 ハ短調 | ― (遺作) |
ちょっとした所感です。
<おすすめ度★★★>
「CD1_No.10」:「夜想曲 第10番 変イ長調」
バレエ音楽「レ・シルフィード」では、このノクターンが管弦楽曲にアレンジされて使用されていることでも有名ですね。
何よりも憶えやすい明快な主題がいいですね。中間部の劇的な曲調との対比も見事です。窓辺で夜空を見上げ、物思いに耽るというよりは、妖精のダンスにであったというような不思議な体験といった感じです。
「CD1_No.6」:「夜想曲 第6番 ト短調」
陰鬱で抒情詩的な主題にうっとりします。そして中間部の劇的な変化は、極めて短く処理されています。その分深く印象付けられます。こちらも対比が美麗な楽曲ですね。
<おすすめ度★★>
「CD2_No.3」:「夜想曲 第14番 嬰ヘ短調」
音楽的な展開が、詩で綴られた物語風で、とても情趣に溢れた憂愁な情緒を抱かせる音楽です。
<おすすめ度★>
「CD1_No.8」:「夜想曲:第8番 変ニ長調」
一聴してショパンの「舟歌」を想起しました。繰り返されるたびに施される装飾によって、魅惑的な音響が豊潤になります。
全体的に落ち着いた趣のある楽曲で満たされています。ライナーノーツ(柴田龍一氏著)で使われている「クリスタルな雰囲気」という表現が慧眼ですね。素敵です。
ジャケット裏の曲目表記が、縦に押し潰されたようになっています。
そこ気になっちゃう?。これは平体処理だな。長体が「横」なら、平体は「縦」の方向へ圧縮するぞ。
【観想】映画と音楽。
魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。
ショパンのノクターン(夜想曲)といえば、やはり「CD1_No.2」の「第2番 変ホ長調」でしょう。
他のノクターンと比べると若干軽薄な印象ですが、優美さという点では頭が一つも二つも抜きん出ています。最初のアウフタクトと続く第1小節の第1打だけで、ショパンのノクターンだと認知できるほど明快で印象深い旋律です。
この「第2番 変ホ長調」は映画「愛情物語」( 監督:ジョージ・シドニー、主演:タイロン・パワー 1956年 アメリカ)の使用楽曲でも有名ですね。「Two Love Again」というムード音楽になっていました。
そして「CD2_No.9」の「第20番 嬰ハ短調」ですね。和音で奏でられる下降型の序奏が印象的で、続く主旋律が物悲しく、沈鬱な美しさに満ちています。
ライナーノーツ(柴田龍一氏著)によると「ピアノ協奏曲 第2番を演奏するためのエチュードとして、1830年にウィーンで作曲された」とあります。
また、「ショパン ノクターン集」(上代万里江[解説] 全音楽譜出版社)では、「ピアノ協奏曲 第2番から引用された楽句がある。」と指摘しています。
この「第20番 嬰ハ短調」は映画「戦場のピアニスト」(監督:ロマン・ポランスキー、主演:エイドリアン・ブロディ 2002年 フランス/ドイツ/ポーランド/イギリス合作)のメイン・テーマですね。
勿論上記以外でも、色々なメディアでショパンのノクターン(夜想曲)は使用されています。単に場面を彩るだけでなく、真に奥深さを与えているということを感じさせられます。
音楽家の略歴です。
<略歴> フレデリック・フランソワ・ショパン 【ポーランド→仏】1810-1849 ワルシャワ音楽院でJ.エルスネルに学び、ピアニスト、作曲家として成功し、1830年ウィーンに演奏旅行。その直後ワルシャワに独立運動が起こったため、帰国せず、パリに出、以後もっぱらフランスを中心に活躍。ロマン派音楽におけるサロン風ピアノ作品を新しい境地に開拓して<ピアノの詩人>と呼ばれる。 (「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)
夜想曲って、ショパンが初めて作ったのでしょうか。
違う。18世紀末から19世紀初頭のイギリスの作曲家 ジョン・フィールドの創始だな。
【追想】連符と連符。
揺らぎを与える連符に感銘です。
「ショパン ノクターン集」(上代万里江[解説] 全音楽譜出版社)です。音符を眺めているだけでも良いのですが、とにかく変わり種の連符を見かけると興奮しますね。
「CD1_No.1」の「第1番 変ロ短調」。最も「夜想曲」という曲想に合致した楽曲という印象ですね。メランコリックで素敵です。
この楽曲には、「11連符」「22連符」「7連符」という連符が使用されています。
この異様な数の音の連符が、伴奏とはずれた音響となり、独特の揺らぎを与えます。そして半音の装飾も相まって、蠱惑的な曲想になっています。
そして「CD2_No.6」の「第17番 ロ長調」。幻想的で、落ち着きと大胆さを兼ね備えた楽曲です。自由な楽想というよりも、自由に綴った楽曲という印象を持ちますね。
この楽曲には、「41連符」「30連符」という連符が使用されています。ひぇ。
もう異次元のレベルですが、これが途轍もなくショパンの楽曲を特徴付ける要素となっているのも確かです。
「第1番 変ロ短調」は1830年の作品で、ショパンがまだ20代に差し掛かったばかり作曲されています。そして、「第17番 ロ長調」は1846年の作品で、「ショパンの生存中最後に作曲され、最後に出版されたもの」とのことです。
「連符」という素材が、ショパンの個性として特徴付けられるひとつの要素だったと思わされますね。
「41連符」って、数えるだけでも目眩がしそうです。
小節が横に引き延ばされていて、視覚的にも面白いな。
【雑想】下手の横好き。(第39弾)
クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。
DAW(Digital Audio Workstation)でクラシック音楽を打ち込んだDTM(DeskTop Music)の作品を制作しています。
DAWで音楽を制作するDTMの楽しさが伝わればと思います。
下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。
・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)
クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。
哲学書・美学書の通読です。
哲学書や美学書にもう一度当たろうと思います。機会があればその内容に触れていこうと思います。
まずはやはり、ハンスリックの「音楽美論」(渡辺護[訳] 岩波文庫)からやり直しです。
長く続く趣味を持ちたいです。
引き続き、ショパン編でした。
ショパンの夜想曲と言えば、「第2番 変ホ長調」がとりわけ有名ですね。
テンポも緩やかなので、ショパンの他作品と比べると、「ピアノの初学者でも弾けるのでは」という罠が仕込まれています。つまり、そう易々とはいかないのです。
ともあれ、ショパンの夜想曲はバラエティに富んでいて飽きが来ないです。そして、幻想と夢想に満ちた世界に没入できる、素敵な楽曲が多いです。
では、また。
おっと、ハンスリックを再読するようですね。
「音楽美論」は、文庫で読めるのも良い点だな。
ところで、ショパンの夜想曲って規模が大きめの作品が多いのでしょうか。アルバムも2枚に分かれています。
演奏時間が長いのが原因だろうな。ゆったり目の曲調に加えて、1小節内の密度が濃いというのも理由かもしれないな。