こんにちは。はーねうすです。

今回は、ショパンの「マズルカ全集」を紹介します。マズルカは、ポロネーズと同じくショパンの故郷ポーランドに根ざした楽曲ですね。

アルバムは2枚組で構成されていて、60曲弱あります。全集って良いですね。

ピアノ演奏は、ウラディミール・アシュケナージ氏です。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

ショパンのマズルカですね。第5番は聴いたことがあります。

ショパンが手掛けた、最も曲数の多い楽曲だな。

【着想】圧巻の曲数。

「ショパン マズルカ全集」のコンテンツです。

「ショパン マズルカ全集」です。
ショパン マズルカ全集 レーベル[LONDON]

全60曲もあり、それだけでも圧倒されます。一気に通して聴くのは中々骨が折れそうですね。
なので、まずは同じ作品番号でまとめられた楽曲だけ聴く、というのも良いかも知れませんね。

CD1

No.曲名(1)曲名(2)作品番号No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1マズルカ第1番 嬰ヘ短調Op.6-116マズルカ第16番 変イ長調Op.24-3
2マズルカ第2番 嬰ハ短調Op.6-217マズルカ第17番 変ロ短調Op.24-4
3マズルカ第3番 ホ長調Op.6-318マズルカ第18番 ハ短調Op.30-1
4マズルカ第4番 変ホ短調Op.6-419マズルカ第19番 ロ短調Op.30-2
5マズルカ第5番 変ロ長調Op.7-120マズルカ第20番 変ニ長調Op.30-3
6マズルカ第6番 イ短調Op.7-221マズルカ第21番 嬰ハ短調Op.30-4
7マズルカ第7番 ヘ短調Op.7-322マズルカ第22番 嬰ト短調Op.33-1
8マズルカ第8番 変イ長調Op.7-423マズルカ第23番 ニ長調Op.33-2
9マズルカ第9番 ハ長調Op.7-524マズルカ第24番 ハ長調Op.33-3
10マズルカ第10番 変ロ長調Op.17-125マズルカ第25番 ロ短調Op.33-4
11マズルカ第11番 ホ短調Op.17-226マズルカ第26番 嬰ハ短調Op.41-1
12マズルカ第12番 変イ長調Op.17-327マズルカ第27番 ホ短調Op.41-2
13マズルカ第13番 イ短調Op.17-428マズルカ第28番 ロ長調Op.41-3
14マズルカ第14番 ト短調Op.24-129マズルカ第29番 変イ長調Op.41-4
15マズルカ第15番 ハ長調Op.24-2

CD2

No.曲名(1)曲名(2)作品番号No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1マズルカ第30番 ト長調Op.50-116マズルカ第45番 イ短調Op.67-4
2マズルカ第31番 変イ長調Op.50-217マズルカ第46番 ハ短調Op.68-1
3マズルカ第32番 嬰ハ短調Op.50-318マズルカ第47番 イ短調Op.68-2
4マズルカ第33番 ロ長調Op.56-119マズルカ第48番 ヘ長調Op.68-3
5マズルカ第34番 ハ長調Op.56-220マズルカ第49番 ヘ短調Op.68-4
6マズルカ第35番 ハ短調Op.56-321マズルカ第49番 ヘ短調 (改訂版)Op.68-4
7マズルカ第36番 イ短調Op.59-122マズルカ第50番 イ短調 (遺作)「ノートル・タン」
8マズルカ第37番 変イ長調Op.59-223マズルカ第51番 イ短調「エミール・ガイヤールに捧ぐ」
9マズルカ第38番 嬰ヘ短調Op.59-324マズルカ第52番 変ロ長調
10マズルカ第39番 ロ長調Op.63-125マズルカ第53番 ト長調
11マズルカ第40番 ヘ短調Op.63-226マズルカ第54番 ニ長調 (遺作)
12マズルカ第41番 嬰ハ短調Op.63-327マズルカ第55番 ニ長調
13マズルカ第42番 ト長調Op.67-128マズルカ第56番 変ロ長調「アレクサンドラ・ウォホウスカのために」
14マズルカ第43番 ト短調Op.67-229マズルカ第57番 ハ長調 (遺作)
15マズルカ第44番 ハ長調Op.67-330マズルカ第58番 変イ長調

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「CD1_No.13」:「マズルカ 第13番 イ短調」

装飾音の使い方が特徴的で、幻想的な曲調は夜想曲に近い印象です。
後半に位置する楽句で、一時的に重厚な音響を放ち、それまでの淡々とした物静かな曲調との対比を印象づけています。メリハリが効いていますね。

「CD1_No.5」:「マズルカ 第5番 変ロ長調」

ショパンのマズルカといえばコレ、となるのではないでしょうか。
明るく、軽快で弾けるようなモチーフが印象的です。同じような音型の伴奏が続くので、単調さは否めませんが、その反復されるリズムが魅力ともいえますね。

<おすすめ度★★>

「CD2_No.3」:「マズルカ 第32番 嬰ハ短調」

バラードと夜想曲を混ぜたような楽曲で、面白いです。マズルカの特徴というものは希薄なものの、規模も大きいので随所の変化を楽しめます。

<おすすめ度★>

「CD1_No.7」:「マズルカ 第7番 ヘ短調」

深く落ち着いた序奏、主要主題の陰鬱でリズミカルな曲調が徐々に高まり、ドラスティックな変化を起こすのが特徴ですね。


ライナーノーツ(小石忠男氏著)では、「舞曲としてのマズルカは、ここで完全に絶対音楽的なピアノ曲に変貌している。」と評しています。

マズルカとはいうものの、ショパンのオリジナル要素が色濃く反映されていますね。

「ショパン マズルカ全集」です。
ショパン マズルカ全集 レーベル[LONDON]

あれ?。ジャケット裏の作品番号ですが、「Op.24-2」がふたつあります。

タイプミスかプリントミスだな。まぁ、粗探しはやめておこうか。

【観想】小規模と大規模。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

ショパンのマズルカですが、演奏時間が2~3分程度の小規模な楽曲から、4~5分を超える比較的大規模な楽曲までが揃っています。

前者については、マズルカらしく民俗舞踏が色濃く反映されているものが多いですね。

例えば、「CD1_No.2」の「第2番 嬰ハ短調」ですね。いかにもマズルカという曲調です。

反して後者は、マズルカの特徴を含みつつも、ワルツ、バラードや夜想曲の要素も併せ持った曲想が多き印象を持ちます。

例えば、「CD1_No.17」の「第17番 変ロ短調」は、純粋なワルツといった趣があります。
また、「CD2_No.7」の「第35番 ハ短調」は、抒情的なテーマと劇的な変調がいかにもバラードといった様相を呈しています。

ライナーノーツ(小石忠男氏著)では、「ショパンは、このマズルカの様式を借用して、独特の芸術味あふれるピアノ曲をおびただしく作曲した。~中略~ ショパンは独創的な、洗練された旋律を書き、しかもマズルカの持つ郷土色を決して忘れることはなかった。」と記しています。

多種多様で、多彩な色調を放つマズルカは、いかにもショパンの郷土愛と個性が混ざり合った楽曲と言えますね。

音楽家の略歴です。

<略歴> フレデリック・フランソワ・ショパン
【ポーランド→仏】1810-1849
ワルシャワ音楽院でJ.エルスネルに学び、ピアニスト、作曲家として成功し、1830年ウィーンに演奏旅行。その直後ワルシャワに独立運動が起こったため、帰国せず、パリに出、以後もっぱらフランスを中心に活躍。ロマン派音楽におけるサロン風ピアノ作品を新しい境地に開拓して<ピアノの詩人>と呼ばれる。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

ところで、マズルカって何ですか。

ポーランド起源の民俗舞踏の音楽だ。ショパンの作品によって、ポーランドのアイデンティティ化したと言っても良いな。

【追想】半音階の魅力。

不安定な音響に痺れます。

「ショパン マズルカ集」です。
ショパン マズルカ集 全音楽譜出版社

「ショパン マズルカ集」(全音楽譜出版社)です。アルバムでは59曲(改訂版含む)でしたが、こちらは51曲ですね。第52番から第58番、加えて第49番の改訂版の有無の差ですね。

マズルカに限らないのですが、ショパンの楽曲には半音階を多用して生み出される、不思議な音響の魅力があります。

例えば、「CD1_No.11」の「第11番 ホ短調」「CD1_No.12」の「第12番 変イ長調」。半音階の経過音や和声の扱いが、調性を不明瞭しています。そのため、曲調全体に不安定さが漂う不思議な楽曲になっています。

そして、「CD2_No.20」の「第49番 ヘ短調」「CD2_No.21」の「第49番 ヘ短調 (改訂版)」ですね。2作品の差は、ライナーノーツ(小石忠男氏著)によると「この曲のスケッチには初めヘ長調の中間部が書かれていたが、フランショームによってカットされていまった。」とありますので、改訂版にはその「ヘ長調」が納められています。

さて、この「第49番 ヘ短調」も半音階が多用されているため、一種独特な音響効果を発揮しています。安定しいない、ふわっとした浮遊感を抱きます。

臨時記号である、「♯」「♭」「♮」が多くみかけると、かなり興奮しますね。

短絡的な表現で申し訳ないのですが、半音階の経過音による音響がもたらす不思議な音響も、ショパンの魅力ですね。

半音階経過音ですか。ところで経過音とはなんですか。

ふたつの和声を構成する音の間を、順次進行でつなげる音だな。

【雑想】下手の横好き。(第40弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したショパンの「マズルカ 第5番 変ロ長調」です。

作曲家:フレデリック・フランソワ・ショパン 作曲年:1830 ~ 1831

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

引き続き、ショパン編でした。

ショパンのマズルカを紹介しましたが、何よりも膨大な数に圧倒されますね。

マズルカという民俗舞曲に対する、ショパンのこだわりが感じ取れますね。故郷ポーランドを離れてから多くを作曲した結果として、ポーランドのアイデンティティと見なされた、という感がありますね。

さて、ショパン編もそろそろ終わりが見えてきました。次は何にしようと勘案するのも楽しいですね。

では、また。

確かにマズルカと聞くと、真っ先にショパンの作品が思い浮かびます。

作品自体が持つアイデンティティなのかもしれないな。