こんにちは。はーねうすです。

今回は、ショパンの「ポロネーズ全集」を紹介します。
以前にも当ブログでポロネーズ集は紹介しましたが、今回のアルバムではショパンが成人する前の作品も収めたコンプリート版になります。全集って興奮しますね。

・CD2枚組のボリュームになります。

ピアノ演奏は、ウラディミール・アシュケナージ氏です。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

またまたポロネーズですね。こちらはディスク2枚組の全集ですね。

滅多に聴く機会のない、幼少期の作品が収録されているので貴重だな。

【着想】未熟と成熟。

「ショパン ポロネーズ全集」のコンテンツです。

「ショパン ポロネーズ全集」です。
ショパン ポロネーズ全集 レーベル[LONDON]

CD2枚組で構成されていて、1枚目はメジャーな曲が収められています。一方、2枚目はショパンが成人する前の作品で、演奏される機会も少ないマイナーな曲が収録されています。綺麗に分けられていますね。

CD1

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1ポロネーズ第1番 嬰ハ短調Op.26-1
2ポロネーズ第2番 変ホ短調Op.26-2
3ポロネーズ第3番 イ長調「軍隊」Op.40-1
4ポロネーズ第4番 ハ短調Op.40-2
5ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調Op.44
6ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄」Op.53
7ポロネーズ第7番 変イ長調「幻想」Op.61

CD2

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1ポロネーズ第8番 ニ短調Op.71-1
2ポロネーズ第9番 変ロ長調Op.71-2
3ポロネーズ第10番 ヘ短調Op.71-3
4ポロネーズ第11番 ト短調
5ポロネーズ第12番 変ロ長調
6ポロネーズ第13番 変イ長調 (遺作)
7ポロネーズ第14番 嬰ト短調 (遺作)
8ポロネーズ第15番 変ロ短調「別れ」
9ポロネーズ第16番 編ト長調 (遺作)

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「CD1_No.5」の「ポロネーズ 第5番 嬰ヘ短調」

豪胆であって、それでいて繊細。曲想と曲調がバラエティ豊かで、とても素敵な音楽です。
ライナーノーツ(石井宏氏著)では、「ショパンのポロネーズの中でもユニークな座標を占める傑作である。」と評しています。また、「中間部がマズルカ Doppio movimento (Tempo di Mazurk)になっているのである。」と、この曲の魅力の秘密を示しています。

「CD1_No.6」:「ポロネーズ 第6番 変イ長調『英雄』」

個性の塊です。ポロネーズの特徴である、力強さと情熱を壮大な曲想で主張しています。圧巻です。

「第5番 嬰ヘ短調」と「「第6番 変イ長調『英雄』」は、当ブログ「ショパン ポロネーズ集」でも紹介させていただきましたので、合わせてご覧いただければ嬉しいです。

<おすすめ度★★>

「CD2_No.2」:「ポロネーズ 第9番 変ロ長調」

18歳頃の作品ということです。
曲想が変化に富んでいて、明るく軽快で、リズミカルな楽曲です。如何にもショパンのポロネーズといった様相に仕上がっています。
中間では短調に転じてはいますが、陰鬱なイメージはなく、主要部をマイナーに置き換えたといった構造と感じ取れます。

<おすすめ度★>

「CD2_No.3」:「ポロネーズ 第10番 ヘ短調」

「CD2_No.2」の「ポロネーズ 第9番 変ロ長調」とは対局にある作品ですね。
憂愁で郷愁的。中間部で若干陽気さを感じさせる楽句があり、その対比が面白いです。


CD1では洗練された「成熟」を、CD2では成長過程の「未熟」を印象づけるアルバムですね。

「ショパン ポロネーズ全集」です。
ショパン ポロネーズ全集 レーベル[LONDON]

CD2にある楽曲ですが、まるで聴いたことがないですね。

どうしても未熟さが勝る「習作」なので、演奏される機会が少ないためだな。

【観想】成人前の楽曲。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

この全集の特徴は、ショパンが成人する以前に書かれた楽曲が収録されている点が挙げられます。ほとんど演奏されることもない、つまり耳にする機会が極めて少ないということになります。その点を突いても、貴重なアルバムと言えるでしょう。

「CD2_No.4」の「第11番 ト短調」「CD2_No.5」の「第12番 変ロ長調」ですが、なんとショパンが7歳の頃の作品ということです。
簡素で明快、調性の輪郭も明確なので、いかにも「作曲しました」という幼さを感じさせます。

また、「CD2_No.6」の「第13番 変イ長調」11歳「CD2_No.7」の「第14番 嬰ト短調」12歳の作品とのこと。
前述の年齢一桁台の作品と比しても、明らかに肉付けが豊富になっています。特に後者は未来のショパンを予見させる幻想と夢想を備えています。

「CD2_No.8」の「第15番 変ロ短調」は、もう立派にショパンの風雅が漂っています。
デュナーミクな展開や、主要部と中間部の差異などの要素に、ショパンの個性が表われています。

聴く機会が少ない分、意外な発見があります。興奮しますね。

音楽家の略歴です。

<略歴> フレデリック・フランソワ・ショパン
【ポーランド→仏】1810-1849
ワルシャワ音楽院でJ.エルスネルに学び、ピアニスト、作曲家として成功し、1830年ウィーンに演奏旅行。その直後ワルシャワに独立運動が起こったため、帰国せず、パリに出、以後もっぱらフランスを中心に活躍。ロマン派音楽におけるサロン風ピアノ作品を新しい境地に開拓して<ピアノの詩人>と呼ばれる。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

7歳の頃の作品ですって。かろん師。

あどけなさがあって、却って新鮮だな。

【追想】幼い音符。

年齢一桁台の音符たちです。

「ショパン ポロネーズ集」です。
ショパン ポロネーズ集 上代万里江[解説] 全音楽譜出版社

「ショパン ポロネーズ集」(上代万里江[解説] 全音楽譜出版社)です。

ショパンが作曲したポロネーズで、チェロとの二重奏を除くすべての作品が収められています。
勿論、7歳で作曲したという「第11番 ト短調」と「第12番 変ロ長調」も収録されています。

ともに三部形式の楽曲で、構成上明快で取り組みやすいスタイルといえそうです。

音型も純粋です。特に左手は伴奏に徹しているといった傾向にありますね。まるで古典主義の作品のようで、幼いショパンがそこから音楽の要素を吸収していたのが読み取れます。

解説では、「習作の域を出ないものである。」とし、後者を「多分にモーツァルト的な曲」と記しています。

ショパンは同時代のロマン派の作曲家を、同族嫌悪的と思えるほどに評価していませんでした。反面、バッハやモーツァルトをとても尊敬していました。
そういった点を、習作期の作品から読み取れるかもしれませんね。

確かに左手のパートは、同じ音型が連続していますね。

古典主義時代のピアノ曲に良くある書法だな。

【雑想】下手の横好き。(第41弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したショパンの「ポロネーズ 第6番 変イ長調『英雄』」の抜粋版です。

作曲家:フレデリック・フランソワ・ショパン 作曲年:1842

他作品も含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

引き続き、ショパン編でした。

今回はショパンのポロネーズを取り扱いました。
当ブログ「ショパン ポロネーズ集」でも取り上げさせていただいたので、「同曲異演」を楽しむアルバムでもありましたね。

加えて「全集」ということもあり、ショパンが幼少期に書いた楽曲も含まれています。そのような観点からは、普段耳にする機会のない楽曲に出会える、稀有なアルバムということもできますね。

さて、今回でショパン編も一段落です。ただし、ピアニストの括りで紹介する機会があります。(例えば、エレーヌ・グリモー氏のアルバムなど。)

さて、次は何を紹介しましょうか。楽しみですね。

では、また。

ショパン編が一区切りしましたね。今回はポロネーズ集でしたが、マイナーな曲の方が多いですよね。

演奏の機会が滅多にない、幼少期の作品も含まれているしな。その分稀少なアルバムといえるだろう。