こんにちは。はーねうすです。

今回は、モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲/クラリネット協奏曲」を紹介します。

フルートとハープという組み合わせは、二重協奏曲としては珍しいみたいですね。ともにソロとしての協奏曲は多いのですが、デュオになるとぐっと数が減る印象です。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

二重協奏曲は、数が少ないのですね。

モーツァルトは、確か3曲を残していたはずだな。

【着想】二重奏の協奏。

「モーツァルト フルートとハープのための協奏曲/クラリネット協奏曲」のコンテンツです。

「モーツァルト フルートとハープのための協奏曲/クラリネット協奏曲」です。
モーツァルト フルートとハープのための協奏曲/クラリネット協奏曲 レーベル[FIRST MUSIC]

モーツァルトは数多くの協奏曲を作曲しましたが、二重協奏曲は僅少です。その中でもフルートとハープのための協奏曲は有名な部類ですね。
加えて、クラリネット協奏曲は1作品のみを残しています。

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1*フルートとハープのための協奏曲 ハ長調第1楽章:アレグロK.299
2*フルートとハープのための協奏曲 ハ長調第2楽章:アンダンティーノK.299
3*フルートとハープのための協奏曲 ハ長調第3楽章:ロンド ~ アレグロK.299
4**クラリネット協奏曲 イ長調第1楽章:アレグロK.622
5**クラリネット協奏曲 イ長調第2楽章:アダージョK.622
6**クラリネット協奏曲 イ長調第3楽章:ロンド ~ アレグロK.622
*: ロバート・ウィン(フルート)、アリーネ・ブリューワー(ハープ)、ジョナサン・カーネイ指揮、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
**: デヴィッド・キャンベル(クラリネット)、ジョナサン・カーネイ指揮、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.2」:「フルートとハープのための協奏曲 第2楽章」

なんとも優美で、心象に残る甘美な旋律の主題が特徴です。

フルートの独奏と、それに続くハープの控えめな旋律の扱いがとても素敵です。
中間部の二重奏は優しく語り合うようで、甚だ愛おしくなります。
そして、その2楽器をそっと支えるように添えられる弦楽合奏のあり方にも魅せられます。
結尾近くで少し陰鬱になり、その後まるで囁き合うかのような箇所はとても印象的です。

<おすすめ度★★>

「No.1」:「フルートとハープのための協奏曲 第1楽章」

典型的な古典協奏曲です。管弦楽で提示部が演奏された後、フルートとハープのデュオ・パートに入るのですが、一気にモーツァルトっぽさが強調されます。ロココ趣味と言えましょうか。

フルートに対して伴奏の役割にあるハープの音響が清々しいです。なた、短調主体の展開部やコーダの二重奏も一際美麗です。

「No.3」:「フルートとハープのための協奏曲 第3楽章」

とても華やかで、弾むような主題が印象的です。

二重奏の部分で、ハープから入るのが良いですね。それまで伴奏に徹していたかのようなハープが、主導的な立場になります。他2楽章との明確な差ですね。

<おすすめ度★>

「No.6」:「クラリネット協奏曲 第3楽章」

軽妙で洒脱。華やかで豪壮。技巧的に処理されたクラリネットが軽快で、明るく爽快さがあって、聴き心地が良いです。中間部では短いながらも短調に転じ、そこでの管弦楽との掛け合いも素敵です。

クラリネットの独奏は、木管独特の音質がとても魅力的です。低音域のボウッと籠もった音、高音域の甲高い突き抜けた音を、うまく管弦楽との差異として際立たせていて、とてもユニークな楽曲になっています。

「モーツァルト フルートとハープのための協奏曲/クラリネット協奏曲」です。
モーツァルト フルートとハープのための協奏曲/クラリネット協奏曲 レーベル[FIRST MUSIC]

ハープが独奏の協奏曲で、有名なものは何ですか。

ヘンデルの協奏曲が有名だな。

【観想】晩年の協奏。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

「クラリネット協奏曲 イ長調」の作品番号である、ケッヘル番号に注目してみましょう。「K.622」ですね。
モーツァルト最後の作品である「レクイエム ニ短調」が「K.626」になりますので、最晩年の1作品であることが理解できます。

作曲年も1791年で、モーツァルトが亡くなる2ヶ月前になります。35歳での夭逝なので「最晩年」という表現は憚れますが、仕方がないことですね。

楽曲としては、トリルの多用や型にはまった帰結など、典型的な古典の手法が目立ちます。しかし、クラリネットという楽器の個性を存分に発揮しようとする姿勢が多分に伺えます。

ライナーノーツ(著者未記載)によると、「モーツァルトは当時としては、まだまだ新しい楽器であるクラリネットを多用した」とあり、「特に世を去る前に書かれたクラリネット協奏曲とクラリネット五重奏曲は、クラリネットの特性を極限までに生かした珠玉の作品」と評しています。

「No.5」の「クラリネット協奏曲 第2楽章」は、とても落ち着きのある緩徐楽章です。この楽曲に諦念の趣を感じ取るのは、間近に迫ったモーツァルトの最期を知っているためだけだとは思えませんね。

音楽家の略歴です。

<略歴> ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
【墺】1756-1791
古典派の典型をなす作曲家。早熟の天才であり、35歳で夭逝。'84年フリーメーソンに加盟、その活動が作品にも投影する。1770年代初めまでの初期の作品には前古典派およびイタリア古典派の影響が強く見られるが、中期には典雅なギャラント様式、マンハイム楽派の様式を採り入れ、30歳以後の後期ではバロック音楽への傾倒も加わって、古典美のなかに深遠な表情をもつようになった。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

18世紀では、クラリネットってまだ新しい楽器だったのですね。

1700年代になって、古楽器であるシャリュモーを改造して誕生したと言われているぞ。

【追想】モーツァルトの生涯。

図版が多くて助かります。

「カラー版 作曲家の生涯 モーツァルト」です。
カラー版 作曲家の生涯 モーツァルト 田辺秀樹[著] 新潮文庫

「カラー版 作曲家の生涯 モーツァルト」(田辺秀樹[著] 新潮文庫)です。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生涯を、豊富な図版の資料とともに読むことができます。

また、12名の音楽家によるコラムが間に挟み込まれています。とても読み応えがあります。
なかでも作曲家である池辺晋一郎氏の「夢の中のモーツァルト」は面白いです。モーツァルトの「天性の発露と成功」を、作家の個性が、時代精神とその環境とに見事に合致した結果という稀なケースであると読み解いた、素敵なエッセイです。

巻末には、「K.」で知られるケッヘル番号と作品名が、年代とともに番号順に記載されているのでとても重宝しますね。

ケッヘル番号の「K.」も「BWV」と同様、年代順に整理されたのでしょうか。

大筋間違ってはいないな。ただ、「時系列で整理されている」と言ったほうが正確だな。

【雑想】下手の横好き。(第50弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したモーツァルトの「フルートとハープのための交響曲 ハ長調 第2楽章」の抜粋版です。

作曲家:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 作曲年:1778

・楽譜の紹介です。

「モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 ハ長調」です。
モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 ロナルド・ウッドハム[解説] / 石川亮子[約] 全音音楽出版社

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

引き続き、モーツァルト編でした。

今回は、フルートとハープという珍しい組み合わせの二重協奏曲が目玉でしたね。

とくに「第2楽章」の美しさは別格です。モーツァルトの神髄に迫った感があります。

久しぶりに帯を見たのですが、「税込み¥315 / ¥300(税抜き)」とあり驚きました。
値段も然る事ながら、消費税が5%という点にも驚きですね。さて、いつの時分に購入していたのだろうと、記憶も怪しくなりつつあります。

では、また。

300円台とは、とてもリーズナブルですね。

著作権や著作者隣接権が切れているなどの関係で、廉価になるケースはあるな。