こんにちは。はーねうすです。

今回は、「やの雪 and Aeon:eyemoon」を紹介します。テルミン奏者である、やの雪氏のアルバムですね。

クラシックCDという位置づけではありませんが、取り扱っている楽曲として中世の音楽や、クラシック作品のアレンジもありますので、紹介させていただきます。

何より、テルミンという異色の電子楽器で演奏された曲を収めたアルバムという点で魅力が爆発です。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

またまた、変則回ですね。

電子楽器「テルミン」を扱ったアルバムだな。

★クラシック音楽の打ち込み音源がある回です。

【着想】アコースティックとエレキの融合。

「やの雪 and Aeon:eyemoon」のコンテンツです。

「やの雪 and Aeon:eyemoon」です。
やの雪 and Aeon:eyemoon レーベル[Victor]

オリジナルの楽曲を中心に、テルミンという楽器の魅力を十分に引き出せる楽曲が集められています。
とりわけ、中世の音楽をアレンジした作品は、一際神秘的で、ユニークです。

No.作詞家作曲家/編曲曲名作品番号
1赤城忠治/赤城忠治ソング・フォー・デス
2やの雪赤城忠治/赤城忠治、やの雪アトランティス
3やの雪やの雪/赤城忠治、やの雪クリスタル・ファーム
4不詳/松本雅隆ラウダ
5アルフォンソ10世/松本雅隆聖母マリアのカンディガ集より
6不詳/金子治アヴェ・マリア
7サン=サーンス白鳥
8マスカーニ歌劇 カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲より
9やの雪やの雪/赤城忠治、山本由紀ブラウエ・ブルーメ
10赤城忠治/赤城忠治モルダヴァイト・レイン
11赤城忠治、米田克哉/赤城忠治、米田克哉ロータス
12赤城忠治、やの雪/赤城忠治、やの雪オデュッセア

ちょっとした所感です。

クラシックCDを紹介するブログになりますので、おすすめに偏りがあるのをご了承ください。

<おすすめ度★★★>

「No.6」:不詳「アヴェ・マリア」

オリジナルは「カッチーニのアヴェ・マリア」として、とても有名な楽曲です。
現在では、カッチーニの作という点においては断定されていませんね。

伴奏がリュートのみというとてもシンプルな組み合わせがいいですね。単旋の伴奏音と、テルミンの持つ独特の揺らぎ音が響き合っています。アンサンブルとしての美しさを際立たせる構造になっていますね。

「No.8」:マスカーニ「歌劇 カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲より」

オリジナルは、歌劇中で演奏される楽曲です。色々に編曲される有名な楽曲ですね。

シンセサイザーとの組み合わせ、重層に合わさったテルミンの音がとても立体的に響いて、面白いです。

<おすすめ度★★>

「No.7」:サン=サーンス「白鳥」

オリジナルは「動物の謝肉祭」という管弦楽曲の、第13曲目ですね。

ハープ特有のアルペジオの音階に載せて歌われる白鳥のテーマは、思いの外テルミンという電子音とマッチしています。

<おすすめ度★>

「No.9」:やの雪「ブラウエ・ブルーメ」

中世の単旋律の歌唱を想起させる、美しい楽曲です。

歌唱パートと、後半に登場するテルミンによる間奏風のパートの対比が良いですね。特に、ピアノとテルミンとで主旋律と副旋律を分け合っているような印象を抱きます。

オリジナル楽曲も大変素敵ですね。


全体としては古楽的な中近東風からサイケデリックなサウンドと、幅も広くバラエティに富んだアルバムになっています。

テルミンという電子楽器が放つ音響は、時には柔和で、時にはヒステリックという多様な音色を有しています。その独特の音響で奏でられる楽曲は、演奏方法とも相まって、どこか神前の儀式にも似た荘厳さを備えていますね。

「やの雪 and Aeon:eyemoon」です。
やの雪 and Aeon:eyemoon レーベル[Victor]

確かに、どこか神秘的なサウンドという印象を持ちますね。

ピアノのように平均律で明快に区分けされた音階ではなく、直接周波数へ働きかけて音を発することが影響していそうだな。

【観想】古楽との調和。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

レフ・セルゲイヴィッチ・テルミン氏によって発明された「テルミン」は、世界最古の電子楽器とも言われています。

何よりも、演奏の方法がユニークです。

箱型の装置に垂直と水平の方向にアンテナが設置されています。その発生する磁場に干渉することで、音を作り出します。基本的に主にした主にした身体の動作で働きかけます。その姿がユニークで、響く音色とも合わさって、どこか神秘的な雰囲気を醸し出しています。

今回紹介したアルバムでは、主旋律を奏でる楽器として使用されています。とりわけ古楽器とのアンサンブルとして企画された楽曲もあり、とても面白いです。

「No.4」の作曲者不詳の「ラウダ」は、中近東的な舞踏を思わせる楽曲です。テルミンによる旋律と古楽器とのアンサンブルがとてもマッチしていますね。

テルミンという電子楽器が奏でる不思議な音と、アコースティックな楽器が奏でる素朴な音の調和に、既存の楽器編成では感じ取れない美を見いだすことができますね。

音楽家の略歴です。

レフ・セルゲイヴィッチ・テルミン
【露】1896-1993
ロシアの物理学者。1920年、ペトログラード物理工科大学で世界初の電子楽器テルミンを発明する。1922年、クレムリンにおいてレーニンの前で電子楽器テルミンや電子警報装置のデモンストレーションをする。1927年より拠点をニューヨークに移し、コンサートや楽器製造等で活躍する。1938年にソ連に帰国。いわゆる粛清に巻き込まれ、1956年に名誉が回復される。
(映画「テルミン」のブックレット「レフ・セルゲイヴィッチ・テルミンの奇跡」(竹内正美氏[作成])より編集)

古楽器って、どのような物がありますか。

弦では、リュートやシターン、ハーディ・ガーディ。管では、クルムホルンなどだな。

【追想】映像で見るテルミン。

貴重なテルミン氏のフィルムです。

映画「テルミン」です。
映画「テルミン」(スティーヴン・M・マーティン監督 / アメリカ / 1993年 / Asmik)

映画「テルミン」(スティーヴン・M・マーティン監督 / アメリカ / 1993年 / Asmik)です。

ドキュメンタリー映画ですね。晩年のテルミン氏が登場し、感慨深い作品です。

また、テルミン氏の愛弟子であるクララ・ロックモア氏のコンサート風景もあり、感激しますね。

さて、DVD BOX仕様で購入したため、映像特典として「テルミン演奏のすべて」というDVDと「アート・オブ・テルミン」というCDが同梱されていました。

後者は、テルミン奏者であるクララ・ロックモア氏の同名のアルバムになります。

ラフマニノフの「ヴォカリーズ」やチャイコフスキーの「感傷的なワルツ」などが納められています。
機会を見ては、別途紹介したいと思います。

このようなドキュメンタリー映画も良いですのね。

評伝や伝記を読むのとは異なった、映像でのみ得られる感動があるな。

【雑想】下手の横好き。(第54弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介した作曲者不詳の「アヴェ・マリア」です。
「カッチーニのアヴェ・マリア」として知られた同作は、ソビエト連邦時代のウラディミール・ヴァヴィロフによって作曲されたと考えられていますね。

作曲家:ウラディミール・ヴァヴィロフ 作曲年:1970頃

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

久方ぶりの、変則回でした。

電子楽器「テルミン」を使用したアルバムということで、以前に紹介した変則回「バッハ・トゥ・モーグ」に近いものがありますね。

因みに、テルミンはモーグ社でも製造、販売されています。

アルバム自体は20年近くも前のものになりますね。月日が立つのも早いです。

では、また。

時間の経過ですか。アルバムを整理していると懐古趣味になりますね。

その上、センチメンタルにもなるな。

ところで、電子楽器で聴くクラシックもいいですね。

以前に紹介していた「バッハ・トゥ・モーグ」も良い例だな。ちょっとトランス状態に陥りそうなのが魅力だぞ。