こんにちは。はーねうすです。
今回は、「マーラー 交響曲 第2番『復活』」を紹介します。
肥大化する管弦楽曲を代表する作品ですね。CDも2枚にまたがっています。
そして、声楽も加わりとても豪華です。
指揮は、ガリー・ベルティーニ氏です。
声楽付きの交響曲ですね。とても豪華に感じます。
声楽パートが加わると、音響効果としても華やかになるな。
目次
【着想】声楽と交響。
「マーラー 交響曲 第2番『復活』」のコンテンツです。
CDが2枚に分かれるほど、大規模な交響曲ですね。ひとつの楽曲の場合、どの位置で分離させるかも重要になりますね。
CD1
No. | 曲名(1) | 曲名(2) | 作品番号 |
1 | 交響曲 第2番 ハ短調「復活」 | 第1楽章:たいへんまじめに、厳かな表情で | ― |
2 | 交響曲 第2番 ハ短調「復活」 | 第2楽章:たいへんのんびりと、急がずに | ― |
3 | 交響曲 第2番 ハ短調「復活」 | 第3楽章:静かに流れるような動きをもって | ― |
CD2
No. | 曲名(1) | 曲名(2) | 曲名(3) | 作品番号 |
1 | 交響曲 第2番 ハ短調「復活」 | 第4楽章:原始の光『原光』「子供の不思議な角笛」から、たいへん厳かに、しかし素朴に(コラール風に) | ― | ― |
2 | 交響曲 第2番 ハ短調「復活」 | 第5楽章:『復活』(拡大されたソナタ形式) | スケルツォのテンポで、荒々しく飛び出すように | ― |
3 | 交響曲 第2番 ハ短調「復活」 | 第5楽章:『復活』(拡大されたソナタ形式) | ふたたびきわめて明るく | ― |
4 | 交響曲 第2番 ハ短調「復活」 | 第5楽章:『復活』(拡大されたソナタ形式) | きわめて急速に速度をゆるめる。荘厳に | ― |
5 | 交響曲 第2番 ハ短調「復活」 | 第5楽章:『復活』(拡大されたソナタ形式) | ふたたび控え目に | ― |
6 | 交響曲 第2番 ハ短調「復活」 | 第5楽章:『復活』(拡大されたソナタ形式) | ゆっくりと神秘的に | ― |
7 | 交響曲 第2番 ハ短調「復活」 | 第5楽章:『復活』(拡大されたソナタ形式) | やや動きを持って | ― |
8 | 交響曲 第2番 ハ短調「復活」 | 第5楽章:『復活』(拡大されたソナタ形式) | 高揚して、しかし急がずに | ― |
クリスティーナ・ラーキ(ソプラノ)、フローレンス・クイヴァー(メゾ・ソプラノ)、南ドイツ放送合唱団
ちょっとした所感です。
<おすすめ度★★★>
「CD2_No.2」~「CD2_No.8」:「交響曲 第2番 第5楽章:『復活』(拡大されたソナタ形式)」
声楽と合唱団が加わる大規模な終楽章ですね。演奏時間も35分近くになります。
全体が7つの部分に区切られた楽曲で、豪奢な謳歌、幻想といった風味です。
「CD2_No.2」の「スケルツォのテンポで、荒々しく飛び出すように」は、豪快な序奏と、管弦楽による厳かで静けさを備えた前奏曲といった様相があり、頌歌(オード)といった雰囲気をもっています。
「CD2_No.3」の「ふたたびきわめて明るく」は、束縛から解放されたかのような、吹っ切れた明るさを伴った楽曲です。しかし、不安を予兆させる部位もあります。
「CD2_No.4」の「きわめて急速に速度をゆるめる。荘厳に」は、起伏が激しく抑揚のある、軽快なサウンドで、勇壮で、豪壮です。
「CD2_No.5」の「ふたたび控え目に」は、改めて不安や焦燥感を抱かせる、急き立てられたかのような導入と、豪快な合奏の後に訪れる安静の音楽といった印象です。その後に控えた静かすぎる時間と、フルートと管楽器群に合奏に、弦が一定の線を描いている幻想的なサウンドが美しいですね。
「CD2_No.6」の「ゆっくりと神秘的に」は、とても静かな導入が不安を抱かせますね。その後の、ソプラノと静かな伴奏としての合唱団による歌唱になります。まるで神前に捧げるかのような、荘厳で静謐な音楽です。
「CD2_No.7」の「やや動きを持って」は、メゾ・ソプラノによる独唱と管弦楽との掛け合いが良く、合唱も加わる荘重な音楽は、まるでオペラですね。
「CD2_No.8」の「高揚して、しかし急がずに」は、歌唱による二重唱が、感情的な昂ぶりをみせます。合唱と管弦楽も加わり、一層昂揚感を増して壮大になります。鐘の音、オルガンも加わって、荘厳に幕を閉じます。
<おすすめ度★★>
「CD1_No.1」:「交響曲 第2番 第1楽章」
第1主題は、不気味で不穏な音を奏でる弦による序奏と荘重な音響、管楽器による咆哮など起伏の激しい曲想が特徴で、動と静が明確です。
第2主題は、牧歌的で清閑な曲調を主としながらも、力強い音響を奏で、何かしら抗いがたい存在との対峙を思わせます。
また、長閑な部位の後に訪れる中間部のドラスティックな合奏が印象的です。
後半は勇壮で、暴力的で暴発的な管弦楽の轟音による主張に圧倒されます。
結尾前では、落ち着いた雰囲気を取り戻し、消沈に向かいますが、突如直滑降風のクライマックスになります。
全体的に、情緒が安定していない感を抱かせる楽曲ですね。
「CD2_No.1」:「交響曲 第2番 第4楽章」
コラール風とあるように、荘厳な導入の後、ソプラノ独唱によるシンプルな楽曲です。優しげで、儚げで、徐々に感が極まっていきます。
<おすすめ度★>
「CD1_No.2」:「交響曲 第2番 第2楽章」
柔和で抑制の効いた線を描く、優雅で高貴な印象を持つ楽曲です。
中間では、嵐のような轟音が鳴り響き、その後に訪れる静けさとの対比が面白いですね。
全楽章を通して、動と静が激しく入り乱れた、情緒が定まらない印象を受ける楽曲ですね。
声楽と合唱が加わったことにより、一層野放図を体現した感がありますね。
声楽や合唱が加わることで、ぐっと印象が変わりますね。
歌詞があることで、情報量が増すこともその一因だな。
【観想】轟音と静音。
魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。
マーラーの「交響曲 第2番」は、兎に角「静と動の乱立」が目立つ印象です。
例えば、「CD1_No.3」の「交響曲 第2番 第3楽章」は、前2楽章が備えた情趣を引き継ぐ効果を狙ったかの様な楽章です。
第1楽章で抱かせた、不安や不穏といった情緒を煽り立てるかのような音響がその特徴ですね。
やたらと引き延ばされた管楽はその真意ですね。その後は、雄大な管弦楽、静かなパート、再び回帰する不安で戯けた主題などが続きます。
そして、豪快な合奏から落ち着いた曲調で締めくくります。
ライナーノーツ(許光俊氏著)によれば、「スケルツォのこの楽章は調性において第1楽章、拍子と旋律において第2楽章と親近性を持つ。」とのことだそうです。
CDが2枚組であるため、隔たりが生まれていますが、続く「交響曲 第2番 第4楽章」の声楽を伴った楽章の存在感を際立たせる効果もありそうですね。
音楽家の略歴です。
<略歴> グスタフ・マーラー 【墺】1860-1911 ウィーン楽友協会音楽院で学び、ウィーン大学では哲学も修めた。1897年よりウィーン宮廷歌劇場の指揮者となり、同劇場の全盛期を築いた。作品はワグネリズムに根幹をおいた長大な交響曲と、それと不可分の関係にある管弦楽伴奏付き歌曲が中心をなしており、明快な抒情性のなかに深い思索的内容を秘めた傑作によって占められている。 (「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)
楽曲そのものの「情緒の不安定さ」という観点は面白いですね。
心理的な効果ではなく、美学上の問題としてその要因を探りたいな。
【追想】日々と教養。
音楽は金曜日です。
「1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365」(デイヴィッド・S・キダー[著] / ノア・D・オッペンハイム[著] / 小林朋則[訳] / 文響社)です。それと原著「THE INTELLECTUAL DEVOTIONAL」(DAVID S. KIDDER & NOAH D. OPPENHEIM / THE NEW YORK TIMES BESTSELLER)ですね。
歴史、文学、芸術、科学、音楽、哲学、宗教の7分野を1週間の各曜日に割り当てた編集がユニークですね。各曜日が1ページで収まってるのも特徴ですね。
その中でも音楽は金曜日を担当しています。
さて、マーラーです。「第42週 第5日 (金)」(298ページ)に登場します。原著も勿論同じ(292ページ)に記載があります。
紹介内容としては、「指揮者としてはじめてスーパースターとなったひとり」(298ページ抜粋)とあり、生前は指揮者として活躍したことが述べられています。
作曲家としては、「死後忘れられていたが、ブルーノ・ウォルター、オットー・クレンペラー、レナード・バーンスタインなど他の有名な指揮者が長年指示した結果、ようやく人気を取り戻した。」(298ページ抜粋)と紹介しています。
いずれにせよ、1ページ内で簡潔に記述しているのが良いですね。
1日1ページで、365ページすね。あれ、「7」で割り切れません。
実際は、364日分が収録されているな。
【雑想】下手の横好き。(第55弾)
クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。
DAW(Digital Audio Workstation)でクラシック音楽を打ち込んだDTM(DeskTop Music)の作品を制作しています。
DAWで音楽を制作するDTMの楽しさが伝わればと思います。
下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。
・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)
クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。
長く続く趣味を持ちたいです。
少し間が空いてしまいました。
変則回を挟んで、引き続きのマーラー編でした。
マーラーの声楽つき交響曲ですね。どうしてもベートーヴェンの「交響曲 第9番」と比較されてしまいますね。
それにしても管弦楽と合唱によるエネルギーに圧倒される楽曲でしたね。聴いていて飽きの来ないバラエティの豊かさにも感服しっぱなしでした。
では、また。
ベートーヴェンの第9交響曲の影響力は、本当に凄まじいのですね。
ベートーヴェン以後の作曲家の中には、「第9番」を作曲すること自体を「畏れ多い」として敬遠した者もいたぞ。