こんにちは。はーねうすです。

今回は、「ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~作曲/編曲集」を紹介します。
こちらも、ラフマニノフ本人によるピアノ演奏のレコード録音をCDに納めなおしたアルバムになります。

なお、正式なアルバムタイトルは「RACHMANINOFF PLAYS RACHMANINOFF – Solo Works and Transcription」になります。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

ラフマニノフに戻ってきましたね。

かつ、自作自演を録音したアルバムだな。

【着想】オリジナルとアレンジの対比。

「ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~作曲/編曲集」のコンテンツです。

「ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~作曲/編曲集」の画像です。
ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~作曲/編曲集 レーベル [RCA]

ラフマニノフ本人による、オリジナル曲とアレンジ曲を集積したアルバムです。また、本人による技巧的な演奏をも聴かせてもらえます。
それにしても、大きな手ですね。

ラフマニノフ作

No.曲名(1)曲名(2)作品番号No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1前奏曲変ト長調Op.23-109東洋のスケッチ
2前奏曲ホ長調Op.32-310メロディホ短調Op.3-3
3前奏曲ヘ短調Op.32-611セレナード変ロ短調Op.3-5
4前奏曲ヘ長調Op.32-712ユモレスクト長調Op.10-5
5練習曲「音の絵」ハ長調Op.33-213ライラックOp.21-5
6練習曲「音の絵」変ホ長調Op.33-714楽興の時変ホ短調Op.16-2
7ひなぎくOp.38-315V.R.のポルカ
8練習曲「音の絵」イ短調Op.39-616前奏曲嬰ハ短調Op.3-2

ラフマニノフ編

No.作曲家曲名作品番号
17J.S.バッハプレリュード (無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番より)
18J.S.バッハガヴォットとロンド (無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番より)
19J.S.バッハジーグ (無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番より)
20メンデルスゾーンスケルツォ (「真夏の夜の夢」より
21クライスラー愛の喜び
22シューベルトどこへ
23ムソルグスキーゴパック (「ソロチンスクの市場」より)
24チャイコフスキー子守歌Op.16-1
24リムスキー=コルサコフくまばちは飛ぶ

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.1」~「No.4」、「No.16」:「前奏曲」

これらが含まれる「前奏曲 op23」「前奏曲 op32」「幻想小品集 op3-2」を集めて「24の前奏曲」として、CDアルバムや楽譜になっています。
J.S.バッハの「平均律クラヴィア曲集」やショパンの「前奏曲集」に代表される「24の調性を網羅する形式」は、「調性の発見(または発明)」に基づく、西欧音楽の形式美と言えますね。

なかでも「No.2」の「前奏曲 ホ長調」は、明るい曲調で小気味が良いですね。
ライナーノーツ(柴田龍一氏著)では、「ロシアの民衆の楽しげな集いの気分を描写したかったような」と評しています。

それから「No.3」の「前奏曲 ヘ短調」激しさを帯びた主題は必聴です。前2曲が、「明・静」と「明・動」なため、そのコントラストで思わず聴き入ってしまいます。

<おすすめ度★★>

「No.10」:「メロディホ短調」

ラフマニノフの真骨頂とも言うべき、旋律美が印象的な曲調です。三連符の特徴的な伴奏のリズムに載せた、穏やかで憂愁な旋律に飲みこれます。
ところで、この楽曲ですがCDジャケットでは「ホ短調」となっていましたが、譜面では「ホ長調」です。ここでは、CDジャケットの表記に準拠しています。

<おすすめ度★>

「No.21」:クライスラー「愛の喜び」

元がヴァイオリンの楽曲であることを失念してしまうほど、ピアノ独奏曲として完成されています。アレンジャー・ラフマニノフの辣腕を知れる1品ですね。

「ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~作曲/編曲集」の画像です。
ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~作曲/編曲集 レーベル [RCA]

幾分「自動ピアノ録音」のアルバムと重複していますね。

それだけラフマニノフにとって掛け替えのない作品ということだろう。

【観想】アレンジャー・ラフマニノフ。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

「No.17」以降のラフマニノフによる他作曲家の作品を、ピアノ曲にアレンジした曲は、どれもこれも素敵です。

とりわけJ.S.バッハが原曲の、「No.17」~「No.19」の「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番」のピアノ編曲は、まるで原曲が鍵盤楽器の作品かと勘違いさせられるほどに精巧です。

チャイコフスキーが交響曲 第6番を発表すると、すぐさまピアノ用に編曲(確か2台用か、4手用)したというエピソードを書籍で読んだ記憶があります。(間違っていたら申し訳ありません)
ラフマニノフにとって編曲は、その作曲家への尊敬と敬愛が動機付けになっているのかもしれませんね。

音楽家の略歴です。

<略歴> セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ
【露】1873-1943
チャイコフスキーの影響を強くうけたモスクワ学派の様式を守り、ピアノ曲を中心にしたあらゆる分野の作品を残す。ロシア革命でスイスに亡命、その後はもっぱらピアノ・ヴィルトゥオーソとしてヨーロッパ、アメリカで活躍。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

ピアノ独奏曲への編曲ですね。大変難しそうです。

オーケストレーションの逆でもあるな。他楽器の独奏曲の編曲に至っては、編曲愛の極みだろう。

【追想】ラフマニノフへの狂喜。

五線紙に綴られる音符の群れに興奮します。

ラフマニノフ 前奏曲集 和田則彦[監修] ドレミ楽譜出版社

楽譜の収集も沼の深みのひとつです。五線紙に音符がびっしり詰まっている密集の様や、静けさの暴力を思わせる空隙の様は、ある種絵画を楽しむ心境に近いです。(無論「観る」だけです。読めません。弾けません。)

さて、「ラフマニノフ 前奏曲集」(和田則彦[監修] ドレミ楽譜出版社)です。CDの「No.1」~「No.4」と「No.16」を含む「24の前奏曲」になります。

なかでも「op3-2 嬰ハ短調」は、大興奮です。「Tempo primo」からの4段譜を初めて目にしたときは、「独奏用の楽譜なの?」と浅学丸出しの疑問を持ってしまいました。が、その実「右手2・左手2、ペダルの運用」で演奏するための表記と知って、今はただただ興奮するばかりです。

加えて、CDなどで音楽を聴きながら音符を追いかけるのも、楽譜を楽しむ要素のひとつでもあります。

[追記]

  • ドレミ楽譜出版社では「RAKHMANINOFF」と「K」を使っています。大抵は「C」です。元々キリル文字なので、そこになにやら差がありそうですね。

ピアノ・スコアですよ。あっ、余白が少ない気がします。目眩が…。

それだけ音符の密度が高いということだ。例え弾けなくても、スコアリーディングは重要だぞ。

【雑想】下手の横好き。(第7弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★>として紹介したラフマニノフの「メロディ ホ長調 (幻想小品集 第3曲)」です。

作曲家:セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ 作曲年:1892

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

前回のワンクッションをおいて、再びラフマニノフ編でした。

ラフマニノフの魅力は、オリジナル曲だけでなく、アレンジ曲にもあります。とりわけ自身が傑出したピアニストであったため、他楽器の楽曲をピアノ用に編曲した作品が秀逸ですね。

今回紹介したアルバムは、その二面性を一時に堪能できる、興味深い1枚ですね。

では、また。

またまたラフマニノフの演奏が聴けるアルバムでしたね。

それだけじゃないぞ。編曲家としての手腕の凄まじさを知らしめるアルバムでもあったぞ。