こんにちは。はーねうすです。

今回は、デイヴィッド・ヘルフゴット氏の「ブレイヴ・ニュー・ワールド」を紹介します。

19世紀中頃から20世紀前半に発表された作品を多く取り上げていますね。

・CDの正式なタイトルは「DAVID HELFGOTT BRAVE NEW WORLD」です。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から2曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

通例の変則回ですね。デイヴィッド・ヘルフゴット氏のアルバムですね。

多様な作品が収められたコンピレーション・アルバムだな。

【着想】多様な感性。

「デイヴィッド・ヘルフゴット ブレイヴ・ニュー・ワールド」のコンテンツです。

「デイヴィッド・ヘルフゴット ブレイヴ・ニュー・ワールド」です。
デイヴィッド・ヘルフゴット ブレイヴ・ニュー・ワールド レーベル[RCA]

映画「シャイン」(監督 スコット・ヒックス / オーストラリア / 1995年)のモデルとなったデイヴィッド・ヘルフゴット氏のイメージとは、一線を画すラインナップで興味深いですね。
多様な感性に驚嘆します。

No.作曲家曲名作品番号
1フランツ・シューベルト即興曲 第2番 変ホ長調D.899 / Op.90-1
2エンリケ・グラナドススペイン舞曲 第5番「アンダルーサ」Op.37-5
3エドヴァルド・グリーグ春に寄す (「抒情小曲集」より)Op.43-6
4エドヴァルド・グリーグ夜想曲 (「抒情小曲集」より)Op.54-4
5エドヴァルド・グリーグアリエッタ (「抒情小曲集」より)Op.12-1
6エドヴァルド・グリーグ恋の曲(エロティック) (「抒情小曲集」より)Op.43-5
7モーリス・ラヴェルオンディーヌ(水の精) (「夜のガスパール」より)
8クロード・ドビュッシー亜麻色の髪の乙女 (「前奏曲集 第1巻 第8曲」)
9パーシー・グレインジャーシェパーズ・ヘイ
10パーシー・グレインジャーストランドのヘンデル
11パーシー・グレインジャーコロニアル・ソング
12エルネスト・レクオーナマラゲーニャ (「スペイン組曲『アンダルシア』第6曲」)
13クロード・ドビュッシー月の光 (「ベルガマスク組曲 第3曲」)
14ジョージ・ガーシュウィン3つの前奏曲 第1番 変ロ長調
15ジョージ・ガーシュウィン3つの前奏曲 第2番 嬰ハ短調
16ジョージ・ガーシュウィン3つの前奏曲 第3番 変ホ長調
17ジョージ・ガーシュウィン私の彼氏
18アラム・ハチャトゥリアン剣の舞

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.8」:ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」

ドビュッシーの前奏曲の中でも、一際有名な楽曲ですね。

冒頭の単旋律の動きで惹き付けられる個性な音楽です。伴奏が加わることで、不思議な音響と展開に魅せられる素敵な楽曲です。

「No.13」:ドビュッシー「月の光」

ドビュッシーの代名詞とも言える超有名曲です。

何故ここまで見事に、夜空に浮かぶ月の情景を惹起する音楽を表現できるのかが不思議で仕方がありません。

中間部の動的な部位は、主要部の静的な部位との対比効果ではなく、その発展といった風で、構成の面でも従来の音楽の在り方とは異なる趣です。

話は逸れますが、昔PlayStationで遊んだ「moon」(アスキー)というゲームのイメージテーマでもあったことを思い出しました。(ゲーム自体は現在、Nintendo Switchnなどのダウンロードコンテンツで遊べるみたいですね)

「No.5」:グリーグ「アリエッタ」

単純な旋律の中に、忍ばされた温かみに溢れた小品です。グリーグ特有の哀愁感が漂う楽曲です。

因みに「アリエッタ」とは「小さなアリア」ということで、確かに歌唱っぽい構成だと思いますね。

「No.17」:ガーシュウィン「私の彼氏」

出だしを聴いた瞬間「ガーシュウィンだ」と思えるほど、個性的な旋律とリズムが特徴の楽曲です。

単純な動きの中に、洒脱な音響世界が織り込まれています。

<おすすめ度★★>

「No.18」:ハチャトゥリアン「剣の舞」

ハチャトゥリアンと言えばコレ、となるぐらいの超有名曲ですね。

原曲の管弦楽曲版とは異なった、ピアノ独特の減衰効果が加わって、面白い音響になっています。

「No.7」:ラヴェル「オンディーヌ(水の精)」

高音域で繰り返される音型が、水面の細かな揺らぎを思わせる楽曲です。

印象主義の書法で作曲すると、どうしても「ドビュッシーの亜流」と思われるほど唯一無二の特徴を持っています。そのような中で、ラヴェルの作品は「亜流」とは呼ばせない個性を持っていますね。

「No.14」~「No.16」:ガーシュウィン「3つの前奏曲」

ブルーノートの面白さをクラシックの形式に落とし込んだユニークな楽曲で、如何にもラプソディー・イン・ブルーの作曲家であるガーシュインの思惑が読み取れるオシャレな楽曲群です。

「No.3」:グリーグ「春に寄す」

可愛らしい楽曲で、同型の繰り返しの中でみせる変化が魅力です。

「No.4」:グリーグ「夜想曲」

ショパンの夜想曲とは趣が異なった曲調ですね。

「No.6」:グリーグ「恋の曲(エロティック)」

物思いに耽るような、内省的な楽曲です。

「No.11」:グレインジャー「コロニアル・ソング」

抒情的で穏やかな旋律が印象的で、中間部で情熱的な展開になるのが特徴です。

「No.12」:レクオーナ「マラゲーニャ」

無窮動の主要部と急加速気味の中間部を持った楽曲です。民俗舞曲と前面に出した楽曲としては、フランツ・リストの「ハンガリー舞曲」に通じるところがあるかもしれません。

<おすすめ度★>

「No.1」:シューベルト「即興曲 第2番」

シューベルトの即興曲ではとてもポピュラリティのある作品ですね。

主要主題の駆け巡るような無窮動の部位と、中間主題のリズミカルで弾けた躍動の対比が印象的です。

「No.2」:グラナドス「スペイン舞曲 第5番」

同じような音型を繰り返しながら、穏やかに変奏していく様が印象的な楽曲です。哀愁を帯びた旋律は、何処かイベリア半島の民俗音楽であるファドを思わせます。

「No.9」:グレインジャー「シェパーズ・ヘイ」

陽気で軽快な楽曲です。バロック音楽を19世紀のノリで展開したような面白さがあります。

「No.10」:グレインジャー「ストランドのヘンデル」

「No.9」と同じく、バロック音楽をモチーフにした感じのする楽曲です。


とにかく多様ですね。クラシックの垣根を越えた時代の作品も収録されているので、バラエティの豊富さに圧倒されますね。

「デイヴィッド・ヘルフゴット ブレイヴ・ニュー・ワールド」です。
デイヴィッド・ヘルフゴット ブレイヴ・ニュー・ワールド レーベル[RCA]

ロマン主義、近代音楽など、ほんとに多彩ですね。

とくに近代音楽を代表する印象主義音楽の作品は必聴だな。

【観想】トレードマークとレッテル。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

デイヴィッド・ヘルフゴット氏といえば、どうしても映画「シャイン」(監督 スコット・ヒックス / オーストラリア / 1995年)のモデルというイメージが強いです。

そのため、劇中で演奏されていたラフマニノフリストといった、超絶技巧を伴った楽曲を演奏するピアニストという印象が持たれます。

ラフマニノフやリストの作品は、デイヴィッド・ヘルフゴット氏のトレードマークとも言えます。

が、レッテルとも捉えかねません。

そのようなレッテルを払拭している一例が今回紹介したアルバムになりますね。

連ねた作曲家の多様さに驚かされました。

正直なところ「グレインジャーってどなた?」となりました。(イギリス出身でアメリカに移住して活躍した、19世紀後半から20世紀中頃に活動した音楽家。シンセサイザーの開発にも携わったそうな。)

僥倖はドビュッシーの作品でしたね。素敵の一言です。

トレードマークは、得てしてレッテルにもなります。そんなイメージも「どこ吹く風」という感で表出した音楽の数々に、純粋に驚かされるアルバムです。

音楽家の略歴です。

<略歴> クロード・ドビュッシー
【仏】1862-1918
印象主義音楽の開拓者。ワグネリアンから出発、S.マラルメのサロンに参加して象徴派の詩人たちと交わり、東南アジアの音楽や、ムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」の音楽等の影響を受けて全音音階を創造。その他、中世の旋法、五音音階等を用いてロマン主義から脱却した印象主義音楽を開発、近代音楽の扉を開いた。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

確かに、レッテルになってしまう場合もありますね。

そんなイメージを払拭する姿勢が、アルバム・タイトルに表われているな。

【追想】ピアノの練習。

片手ずつが基本です。

「TWO WEEKS MASTER LA FILLE AUX CHEVEUX DE LIN (ピアノピース 2週間マスター No.22 亜麻色の髪の乙女)」です。
TWO WEEKS MASTER LA FILLE AUX CHEVEUX DE LIN (ピアノピース 2週間マスター No.22 亜麻色の髪の乙女) 久木山直・三上直子[指導]  全音楽譜出版社

「TWO WEEKS MASTER LA FILLE AUX CHEVEUX DE LIN (ピアノピース 2週間マスター No.22 亜麻色の髪の乙女)」(久木山直・三上直子[指導] / 全音楽譜出版社)です。

どうしてもドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」が弾けるようになりたくて、購入した楽譜です。「2週間でマスター」というキャッチコピーに惹かれました。

内容は、基本的に片手ずつを練習して、両手で合わせるといった構成になっています。

1日 4~6小節程度を繰り返し練習し、積み重ねる形ですね。最後の14日目で通しの練習といった内容です。

「亜麻色の髪の乙女」は39小節なので、2週間という期間で考えるとかなり繰り返し練習ができるので、効果が期待できるつくりになっています。

ピアノ演奏に憧れを持つ者としては、飛びつきたくなる内容ですね。

ピアノが弾けるのって羨ましくもあり、妬ましくもありますね。

色んな意味で、後悔先に立たずだな。

【雑想】下手の横好き。(第60弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」とグリーグの「アリエッタ」です。

作曲家:クロード・アシル・ドビュッシー 作曲年:1909-1910 (亜麻色の髪の乙女)
作曲家:エドヴァルド・グリーグ 作曲年:1867 (アリエッタ)

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

今回は、変則回でした。

久しぶりにデイヴィッド・ヘルフゴット氏のピアノ演奏を聴きました。そして、改めて演奏家の多様さに驚かされました。

ガーシュウィンといった、クラシックとは一味違う分野の音楽も堪能できる、素敵なアルバムでした。

では、また。

変則回でしたね。ピアニストにスポットを当てたアルバムでしたね。

デイヴィッド・ヘルフゴット氏だな。ラフマニノフの回で何度か紹介させていただいたピアニストだな。