こんにちは。はーねうすです。

今回は、「ブラームス ピアノ名演集 第1集」を紹介します。

「2つの狂詩曲」や「幻想曲集」のような、小品がパッケージされた作品集が納められたアルバムになりますね。

ピアノ演奏は、ヴィルヘルム・ケンプ氏です。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

ブラームスのピアノ曲ですね。スケールが小さい曲が多い印象です。

後期に手掛けたピアノ曲の特徴だな。

【着想】珠玉の小品。

「ブラームス ピアノ名演集 第1集」のコンテンツです。

「ブラームス ピアノ名演集 第1集」です。
ブラームス ピアノ名演集 第1集 レーベル[Deutsche Grammophon]

ブラームスの中期か後期にかけての、円熟期に書かれた珠玉の作品群ですね。比較的規模の大きい作品もありますが、演奏時間が3分前後になる規模の小さい作品が大半を占めています。

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
18つの小品第1曲:カプリッチョ 嬰ヘ短調Op.76-1
28つの小品第2曲:カプリッチョ ロ短調Op.76-2
38つの小品第4曲:間奏曲 変ロ長調Op.76-4
42つの狂詩曲第1曲:ロ短調Op.79
52つの狂詩曲第2曲:ト短調Op.79
6幻想曲集第1曲:カプリッチョ ニ短調Op.116
7幻想曲集第2曲:間奏曲 イ短調Op.116
8幻想曲集第3曲:カプリッチョ ト短調Op.116
9幻想曲集第4曲:間奏曲 ホ長調Op.116
10幻想曲集第5曲:間奏曲 ホ短調Op.116
11幻想曲集第6曲:間奏曲 ホ長調Op.116
12幻想曲集第7曲:カプリッチョ ニ短調Op.116

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.4」:「2つの狂詩曲 第1曲」

ブラームスのピアノ独奏曲としては、規模が大きめの作品になりますね。

冒頭の力強い主題が印象的です。一聴して引き込まれる魅力があります。

また、豊富なモチーフが断片的に繋ぎ合わされたかのような構成もユニークですね。ラプソディという構想を見事に体現しています。

時折覗かせる可愛らしいモチーフも良いですね。

「No.5」:「2つの狂詩曲 第2曲」

「第1曲」と同様に、規模が大きい作品ですね。

冒頭に配された上昇するモチーフが、浮遊感を抱かせる曲調を伴った印象的な楽曲です。

動静、緩急が入り混じった曲想は、やはり「第1曲」と同様、ラプソディという形式を現出しているようです。

「No.9」:「幻想曲集 第4曲」

とても穏やかな曲想で透徹された楽曲です。

瞑想的な主要主題や全体的に静謐さを伴った音響が、どこか夜想曲を思わせます。

<おすすめ度★★>

「No.3」:「8つの小品 第4曲」

長調が主体でありながら、短調の響きを併せ持つ不思議な音響が印象的です。

「No.8」:「幻想曲集 第3曲」

動的で無窮動の主要主題と、明確な旋律線を持つ中間部の主題の対比が面白い楽曲です。

「No.10」:「幻想曲集 第5曲」

同型反復で作り上げられている主要部が面白いですね。音楽が、小さな動機の組み合わせで成立していることを実感させられます。

<おすすめ度★>

「No.2」:「8つの小品 第2曲」

陰気と陽気を兼ねた楽曲です。戯けた調子を醸し出すリズムも特徴のひとつですね。

「No.7」:「幻想曲 第2曲」

跳ね回るような経過句の後に登場する、可愛らしい旋律を持つ中間部が印象的です。


豪胆さを伴った楽曲、冷静さを伴った楽曲など、彩りの豊かな楽曲が多いアルバムですね。

「ブラームス ピアノ名演集 第1集」です。
ブラームス ピアノ名演集 第1集 レーベル[Deutsche Grammophon]

確かに、「2つの狂詩曲」以外は構成が単純な感じがしますね。

その分、小品というスタイルの魅力が詰まっているぞ。

【観想】綺想と間奏。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

今回紹介したアルバムですが、「2つの狂詩曲」を除くと「綺想曲(カプリッチョ)」「間奏曲(インテルメッツォ)」に属しています。

ともに音楽の形式を指す用語です。

「綺想曲(カプリッチョ)」は、フーガの要素を伴った、比較的自由な形式を指します。

「間奏曲(インテルメッツォ)」は、元は幕間に演奏される楽曲のことでしたが、ロマン主義時代には、小規模で自由な形式の器楽曲を指すようになりました。

1890年頃といえば、ブラームスにとっては晩年に当たります。この頃の作品には、「綺想曲(カプリッチョ)」と「間奏曲(インテルメッツォ)」への傾倒が顕著に表われます。

体力的にも大規模な作品を手掛けるのが困難だったとも考えられます。ですが、それ以上に、形式にとらわれず、自由な曲想で小品を創作することへの意欲があったとも考えられます。

小さな作品が寄り集まって生み出される、小品集というのも魅力的ですよね。

音楽家の略歴です。

<略歴> ヨハネス・ブラームス
【独】1833-1897
大バッハ、ベートーヴェンと並びドイツ音楽の「3B」と称される。初期にはピアノ曲、歌曲、室内楽曲を中心に作曲、後期は交響曲、協奏曲等の大作が多い。ロマン派音楽のなかにありながら純音楽の伝統に固執、歌劇や標題音楽は手掛けなかった。新古典派とも呼ばれ、形式主義美学を主張するE.ハンスリックから強く支持された。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

自由な形式ですか。ブラームスの到達した形式美でしょうか。

どちらかというと、思いついた曲想をしたためるのに適した形式だったとも考えられるな。

【追想】ポリフォニックな譜面。

和声進行の魅力が詰まっています。

「ブラームス ピアノ曲集2」です。
ブラームス ピアノ曲集2 門馬直美[解説] / 全音楽譜出版社

「ブラームス ピアノ曲集2」(門馬直美[解説] / 全音楽譜出版社)です。

今回紹介したアルバムの楽曲がすべて収録されています。

ピアノの製造技術や楽譜の印刷技術が飛躍的に向上した19世紀には、一般家庭にも音楽が広く浸透していきました。そのような中、ピアノ曲が大量生産されるというのは、火を見るより明らかです。

ですが、ブラームスは、19世紀の作曲家の中にあって、ピアノ独奏曲の作品が比較的に少ない部類に入りますね。自身がピアニストとして出発したという点を考慮すれば不思議な感じもします。

全音楽譜出版社から出版されているピアノ独奏用の楽譜も、「ピアノ曲集1」「ピアノ曲集2」と「五十一の練習曲」ぐらいだったと思います。

さて、ブラームスの楽譜です。

多声部の進行で書かれているのが、一見して理解できます。どこか、バロック時代の楽譜を見ているような印象を受けます。

ブラームスがJ.S.バッハに心酔していたという点を考慮すると納得しますね。和声法や対位法という技術が、綿密に織り込まれた楽譜としてみると、とても面白いですね。

ピアノ曲であっても、どこか多楽器編成の楽曲を想起させる理由が、少しは理解できた気がします。

多声部の進行ですか。譜面上の特徴って何でしょうか。

各声部が独立して動いているように書かれているのが特徴だな。

【雑想】下手の横好き。(第62弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したブラームスの「2つの狂詩曲 第1曲 ロ短調」です。

作曲家:ヨハネス・ブラームス 作曲年:1879

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

引き続き、ブラームス編でしたね

本編でお伝えしたとおり、ブラームスのピアノ作品は、思いの外少ないです。

また晩年になるほど、小規模で感傷的な楽曲が増えていくのも、ブラームスのピアノ曲の特徴と言えそうですね。

比較的譜読みが安易な作品もありますので、音楽を聴きながら楽譜を追ったり、ピアノで演奏してみるのにも適していると言えそうですね。

では、また。

感傷的なピアノ曲も良いですよね。

逃れられない、枯れていくといった終末感もあって、センチメンタルになるよな。