こんいちは。はーねうすです。

今回は、「ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~ピアノ協奏曲 第1&4番」を紹介します。
このCDは、前回に引き続き「ラフマニノフ・コレクション」の1品で、自作自演になりますね。レコード(SP・LP)音源をCDで聴けるのは、大変ありがたいですね。

なお、正式なアルバムタイトルは「RACHMANINOFF PLAYS RACHMANINOFF – Concertos Nos. 1 and 4, Rhapsody on a Theme of Paganini」になります。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

引き続き、ラフマニノフの自作自演ですね。

協奏曲ということもあって、管弦楽曲の録音としても貴重だぞ。

【着想】巨匠、晩年の録音。

「ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~ピアノ協奏曲 第1&4番」のコンテンツです。

「ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~ピアノ協奏曲 第1&4番」です。
ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~ピアノ協奏曲 第1&4番 レーベル[RCA]

1939年から1941年の間に録音された作品で、ラフマニノフにとっては「晩年」にあたります。アルバムの帯にある「稀代のヴィルトゥオーゾ、ラフマニノフの芸風を今に伝える貴重なディスク。」は過言ではなく、真にその神髄を今でも耳にできるのは「貴重」な体験と言えるでしょう。

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1*ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調第1楽章 VivaceOp.1
2*ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調第2楽章 AndanteOp.1
3*ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調第3楽章 Allegro vivaceOp.1
4*ピアノ協奏曲 第4番 ト短調第1楽章 Allegro vivaceOp.40
5*ピアノ協奏曲 第4番 ト短調第2楽章 LargoOp.40
6*ピアノ協奏曲 第4番 ト短調第3楽章 Allegro vivaceOp.40
7 ~ 32**パガニーニの主題による狂詩曲序奏 – 第1変奏 – 主題 – 第2変奏 ~ 第24変奏Op.43
*: ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
**: レオポルド・ストコフスキー指揮 フィラデルフィア管弦楽団

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.5」:「ピアノ協奏曲 第4番 第2楽章 ラルゴ」

静かに歌われる主題と、荒々しい中間部のギャップに魅せられました。その曲をラフマニノフ本人のピアノ演奏で聴けるのは素敵なことですね。
この曲を知ったきっかけは、以前に少し触れた「アダージョ・ラフマニノフ」に納められていたためでした。

<おすすめ度★★>

「No.1」~「No.3」:「ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調」

ラフマニノフが「Op.1」(作品番号1)として世に出した最初の曲で、それを晩年に大きく改訂した作品です。
そのため、ライナーノーツ(岡本稔氏著)では「若い頃の曲ならではの新鮮さと、円熟した筆致を兼ね備えた作品」と評しています。まさにラフマニノフの根幹を堪能することができます。

<おすすめ度★>

「No.7」~「No.32」:「パガニーニの主題による狂詩曲」

「ピアノ協奏曲 第1番」の改訂時期と同様に晩年の作で、ラフマニノフにとっては最後のピアノ作品になります。なんとも感慨深いものがありますね。

「ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~ピアノ協奏曲 第1&4番」です。
ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~ピアノ協奏曲 第1&4番 レーベル[RCA]

ラフマニノフの協奏曲では、マイナーな方ですね。

うむ。だが、ラフマニノフ節が健在だぞ。

【観想】瑞々しさと、老成円熟の共演。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

「ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調」なラフマニノフにとっては、初めての作品番号付きになります。モスクワ音楽院のピアノ科を卒業した年(1891年)に作曲されたとのことですから、音楽学生時分の作品といって良いでしょう。

それを1917年に大幅な改訂を加えて、このCDに聴かれる形になったとのこと。そして、1939年から1941年の間に、自作自演というスタイルで録音された本作は、青年期の瑞々しさを残した作品を、老成円熟期に至った技巧の共演といっても良いでしょう。

音楽家の略歴です。

<略歴> セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ
【露】1873-1943
チャイコフスキーの影響を強くうけたモスクワ学派の様式を守り、ピアノ曲を中心にしたあらゆる分野の作品を残す。ロシア革命でスイスに亡命、その後はもっぱらピアノ・ヴィルトゥオーソとしてヨーロッパ、アメリカで活躍。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

第1番の録音、という観点では確かに貴重なアルバムですね。

まさに、青年期と円熟期の共演といった様相だな。

【追想】生涯に触れる伝記。

物語風の展開で、読後感が良いです。

ニコライ・パジャーノフ=著 小林久枝=訳 音楽之友社

「伝記 ラフマニノフ」(ニコライ・パジャーノフ=著 小林久枝=訳 音楽之友社)は、ラフマニノフ生誕130年/没後60年を記念して、1975年刊行の「ラフマニノフ」を改訂新訳し出版した伝記になります。ある作家やアーティストの作品に感銘を受けると、その生涯も気になるところ。この種の著作や書籍は本当にありがたいです。

470ページ弱かつ2段組になりますので、一気読みは酷でしょう。ただ、物語風に展開されますので、小説を読む感覚でページを捲れます。例えば「ピアノ 協奏曲 第1番」については、「最初の協奏曲が生まれようとしているのだと気づいた。セルゲイはその足音を、木々のざわめきや、小鳥のさえずりや、落日にうたう鳥の歌や、池のほとりのほととぎすの悲しげな叫び声や、カエルのオーケストラが騒々しく競うトレモロの中に聞いていた。」(76、77ページより抜粋)と詩的に表現されています。

巻末に年表と作品表があり、作品表には、その作品が登場するページも記載されています。そのため、文章内で端的に作品名が表記されていなくても、作品表から判明することができます。

重厚な伝記ですね。物語風で読みやすそうですが…。

ラフマニノフ・ファンにとっては垂涎ものだな。まぁ、確かに物理的な面で圧倒されるが…。

【雑想】下手の横好き。(第8弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★>として紹介したラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」 「第18変奏」のピアノ独奏用編曲版です。

作曲家:セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ 作曲年:1934

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

引き続き、ラフマニノフ編でした。

ラフマニノフと言えばやはり「ピアノ協奏曲」ですね。「ピアノ協奏曲 第2番」や「ピアノ協奏曲 第3番」があまりにも有名なため、今回紹介した2作品は陰に隠れた印象ですよね。

だからといって上記2曲に負けず劣らず、ラフマニノフの真価である旋律美は健在です。聴けば聴くほど味わいが深まります。

加えて「パガニーニの主題による狂詩曲」をも、ラフマニノフ本人の演奏で聴ける貴重なアルバムですね。

引き続いて、ラフマニノフの演奏を記録したアルバムでしたね。代表作が3作品もあって、ボリューム満点でした。

管弦楽曲が録音されているという側面もあって、とても貴重なアルバムだな。