こんにちは。はーねうすです。
今回は、「ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~ピアノ協奏曲 第2&3番」を紹介します。
前回、前々回と同様で、ラフマニノフ本人による自作自演の録音を収めた「ラフマニノフ・コレクション」になります。「これぞラフ様」といったアルバムですね。
なお、正式なアルバムタイトルは「RACHMANINOFF PLAYS RACHMANINOFF – Concertos Nos. 2 and 3」になります。
★打ち込みクラシック
DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から2曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。
さらに続けてラフマニノフの自作自演ですね。
そして、ラフマニノフの代名詞でもある楽曲だな。
目次
【着想】ラフマニノフの代名詞。
「ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ ~ピアノ協奏曲 第2&3番」のコンテンツです。
あまりにもメジャーなタイトルのカップリングなので、「紹介します」と発するのは幾許か気が引けます。でも、自作自演の魅力については、発信せざるを得ません。
No. | 曲名(1) | 曲名(2) | 作品番号 |
1* | ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 | 第1楽章 Moderato; Allegro | Op.18 |
2* | ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 | 第2楽章 Adagio sostenuto | Op.18 |
3* | ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 | 第3楽章 Allegro scherzando | Op.18 |
4** | ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 | 第1楽章 Allegro ma non tanto | Op.30 |
5** | ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 | 第2楽章 Intermezzo: Adagio | Op.30 |
6** | ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 | 第3楽章 Finale: Alla breve | Op.30 |
**: ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
ちょっとした所感です。
<おすすめ度★★★>
「No.2」:「ピアノ協奏曲 第2番 第2楽章」
第1楽章の激しい終結から一転、静けさの中に、一定の音型でピアノが奏でられます。そして、フルートの登場。あまりにも甘美な旋律は、その息の長さも相まって、天上の音楽を聴いているかのようです。
「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」によると、「第1交響曲の不成功によるノイローゼが、神経科医師 N.V.ダールの治療で回復して作曲にたち向かったときの作品」とあり、ライナーノーツ(藁科雅美氏著)では、「この曲が起死回生の恩人であるダール博士に献呈されたのは至当の行為」と記しています。このとても有名なエピソードもあって、第2番は不朽の作品とも言えるのでしょう。
<おすすめ度★★>
「No.2」:「ピアノ協奏曲 第2番 第1楽章」
「No.3」:「ピアノ協奏曲 第2番 第3楽章」
中間の緩徐楽章が際だった旋律美に酔うのだとすれば、前後を挟む急楽章はピアノの高度な技巧をも堪能できる楽曲ですね。ラフマニノフ節については無論です。
<おすすめ度★>
「No.4」~「No.6」:「ピアノ協奏曲 第3番」
「ピアノ協奏曲 第2番」とは姉妹作といえるほど共通点が多い楽曲です。とても素敵です。
当ブログの「デヴィッド・ヘルフゴット プレイズ ラフマニノフ」もご覧いただければ嬉しいです。
第2番は、ラフマニノフ起死回生の作品のようですね。
作曲に至る経緯のエピソードが後押ししている感はあるが、傑出した作品に違いはないな。
【観想】通俗的というレッテル。
魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。
ラフマニノフの音楽は、前衛の現代音楽(コンテンポラリー・ミュージック)が占める時代にあって、前世代的(時代遅れ)とも受け取られました。また、甘美で大衆に受け入れられやすい旋律は、通俗的と評されたようです。
また、アメリカで栄えたトーキー映画の劇伴(映画音楽)に好まれた「甘ったるさ」と通じるところがあるとされたのでしょう。(前後が逆になっているんですけどね)
前回に紹介した「ピアノ協奏曲 第1&4番」のライナーノーツ(岡本稔氏著)では、「彼の音楽が現在広く行われているような映画音楽まがいのあまったるいだけのものではないことが再認識される。」とあり、時代背景として「映画音楽」との比較は、マイナスのイメージに働いたようです。
さて、映画好きで映画音楽好きでもある身にとっては、あまりそのような評価を気にはしません。「絶対音楽 vs 標題音楽」の時代でもないので、と思わずにはいられません。
因みにですが、映画「逢びき」(監督:デヴィッド・リーン イギリス 1945)では、ラフマニノフのピアノ協奏曲 第2番が使用されていたのは有名ですね。冒頭、汽車が駅を通過したと同時に流れ出す第1楽章のモデラート、ローラがドリーの話にうんざりしたときの独白のシーンで、その背後に流れる第2楽章は印象的です。「通俗的」でも良いものは良いです。
音楽家の略歴です。
<略歴> セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ 【露】1873-1943 チャイコフスキーの影響を強くうけたモスクワ学派の様式を守り、ピアノ曲を中心にしたあらゆる分野の作品を残す。ロシア革命でスイスに亡命、その後はもっぱらピアノ・ヴィルトゥオーソとしてヨーロッパ、アメリカで活躍。 (「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)
絶対音楽?、標題音楽?。って何ですかね。
そこ気になっちゃうよね。時代は前後してしまうが、是非ハンスリックの「音楽美論」(渡辺護[訳] 岩波文庫)を読んでほしい。
【追想】ラフマニノフへの狂喜。
楽譜の魅力です。
ピアノ協奏曲 第2番と第3番の楽譜である「Piano Concert No. 2, Op.18 (reduction for 2 piano)」(BOOSEY & HAWKES)と「Piano Concert No. 3, Op.30 (reduction for 2 piano)」(BOOSEY & HAWKES)です。ともに2台のピアノ用です。
オーケストラ・パートが、どのようにピアノ譜へ落とし込まれているのかを眺めるのも、楽しいですね。
以前にも述べましたが、五線紙に犇めく音符や、それに反する空隙などの彩りを持った楽譜を眺めては興奮してしまいます。また、CDで音楽を聴きながら、楽譜を追いかけるのもとても楽しいです。
その1音、その休止の配置に、作曲家の全神経が注がれていると思うと、恍惚となります。
管弦楽曲のパートがピアノ譜になっている、という認識でよろしいでしょうか。
その通りだ。無論フルスコアも良いが、ピアノ用に編曲された管弦楽の譜面も面白いぞ。
【雑想】下手の横好き。(第9弾)
クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。
「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。
今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 第2楽章」の抜粋版と、<おすすめ度★★>として紹介した「ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 第1楽章」の抜粋版です。
他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。
・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)
クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。
長く続く趣味を持ちたいです。
引き続き、ラフマニノフ編でした。
ついに、ラフマニノフ自身の演奏による「ピアノ協奏曲 第2番」と「ピアノ協奏曲 第3番」のアルバムを紹介する運びになりましたね。感無量です。
兎にも角にも、自作自演の音源が今世に存在していることに感謝です。
では、また。
第2番と第3番、この有名曲のラインナップをラフマニノフの演奏で聴けるのは、至高ですね。
興奮するだろう。録音技術が発達し始めた時代であったことも幸いだな。