こんにちは。はーねうすです。

今回は、「ヘンデル 調子の良い鍛冶屋 ~ヘンデルのハープシコード組曲集」を紹介します。

ヘンデルの「ハープシコード組曲 第1集」からの抜粋盤ですね。

ピアノ編曲でも知られる楽曲もありますが、このアルバムはオリジナル通りのハープシコードで演奏されています。

ハープシコード演奏は、ケネス・ギルバート氏です。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

全編ハープシコードの演奏によるアルバムですね。

ピアノによる演奏も良いが、やはり原曲の再現性に近い形で聴くのも良いな。

【着想】ハープシコードの名演。

「ヘンデル 調子の良い鍛冶屋 ~ヘンデルのハープシコード組曲集」のコンテンツです。

「ヘンデル 調子の良い鍛冶屋 ~ヘンデルのハープシコード組曲集」です。
ヘンデル 調子の良い鍛冶屋 ~ヘンデルのハープシコード組曲集 レーベル[harmonia mundi]

「ハープシコード組曲 第1集」はすべてで8つの組曲がパッケージされています。今回紹介するアルバムでは、第3番の組曲が除かれた形になっています。

No.曲名(1)曲名(2)作品番号No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1組曲 第1番 イ長調プレリュードHWV42618組曲 第6番 嬰ヘ短調プレリュードHWV431
2組曲 第1番 イ長調アルマンドHWV42619組曲 第6番 嬰ヘ短調ラルゴHWV431
3組曲 第1番 イ長調クーラントHWV42620組曲 第6番 嬰ヘ短調アレグロHWV431
4組曲 第1番 イ長調ジーグHWV42621組曲 第6番 嬰ヘ短調ジーグHWV431
5組曲 第2番 ヘ長調アダージョHWV42722組曲 第7番 ト短調序曲HWV432
6組曲 第2番 ヘ長調アレグロHWV42723組曲 第7番 ト短調アンダンテHWV432
7組曲 第2番 ヘ長調アダージョHWV42724組曲 第7番 ト短調アレグロHWV432
8組曲 第2番 ヘ長調アレグロHWV42725組曲 第7番 ト短調サラバンドHWV432
9組曲 第4番 ホ短調アレグロHWV42926組曲 第7番 ト短調ジーグHWV432
10組曲 第4番 ホ短調アルマンドHWV42927組曲 第7番 ト短調パッサカリアHWV432
11組曲 第4番 ホ短調クーラントHWV42928組曲 第8番 ヘ短調プレリュードHWV433
12組曲 第4番 ホ短調サラバンドHWV42929組曲 第8番 ヘ短調アレグロHWV433
13組曲 第4番 ホ短調ジーグHWV42930組曲 第8番 ヘ短調アルマンドHWV433
14組曲 第5番 ホ長調プレルードHWV43031組曲 第8番 ヘ短調クーラントHWV433
15組曲 第5番 ホ長調アルマンドHWV43032組曲 第8番 ヘ短調ジーグHWV433
16組曲 第5番 ホ
長調
クーラントHWV430
17組曲 第5番 ホ長調エア「調子の良い鍛冶屋」と5つの変奏曲HWV430

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.26」:「組曲 第7番 ジーグ」

エネルギッシュな主題が印象的で、まるでロマン主義の曲想を先取りしたかのような楽曲です。

旋律の輪郭がとても明瞭で美しく、構成もドラスティックな展開が盛り込まれています。

「No.17」:「組曲 第5番 エア『調子の良い鍛冶屋』と5つの変奏曲」

「調子の良い鍛冶屋」という愛称で知られる楽曲ですね。

主題はとても明確に象られていて、明快です。変奏曲の主題に相応しいモチーフになっていますね。

続く変奏曲も、練習曲風に装飾が施されていく展開になっています。

「No.25」:「組曲 第7番 サラバンド」

アルペジオで崩された和音の動線がドラマティックな楽曲です。

全体を彩る陰りのある曲調が、もの悲しげな印象を演出しています。

<おすすめ度★★>

「No.19」:「組曲 第6番 ラルゴ」

重苦しい雰囲気を纏った楽曲です。

多声による和声進行という横の動きよりも、音の重なりによる和音進行という縦の響きに主があるような楽曲です。

「No.9」:「組曲 第4番 アレグロ」

無窮動に駆け回る音型に、陰のある短調の響きがマッチした楽曲です。これぞバロック音楽といった様相です。

「No.15」:「組曲 第5番 アルマンド」

優しくて柔らかい、変化に富んだ主題が特徴ですね。構成の面でもドラマ的な展開ポイントを配置していて面白いです。

「No.5」:「組曲 第2番 アダージョ」

しっとりと切なさが色濃い雰囲気を纏った楽曲です。

<おすすめ度★>

「No.3」:「組曲 第1番 クーラント」

輪郭が明確なモチーフで構成された主題が印象的です。変化もあり、曲調も如何にもバロックと言った感があります。

「No.4」:「組曲 第1番 ジーグ」

明るく活気があり、活発な印象を受ける曲調を持った楽曲です。

「No.23」:「組曲 第7番 アンダンテ」

悲しげなモチーフで構成された主題が印象的な楽曲です。


ハープシコードという楽器の特性のため、音色の変化は少ないです。が、緩急・長短などのが織り込まれているので、単調な感じはしません。ピアノとは異なった音響空間を堪能するには適したアルバムですね。

「ヘンデル 調子の良い鍛冶屋 ~ヘンデルのハープシコード組曲集」です。
ヘンデル 調子の良い鍛冶屋 ~ヘンデルのハープシコード組曲集 レーベル[harmonia mundi]

確かに、音色の変化も少ないので、曲の違いを峻別するのは難しいですね。

楽器の特性だけとは限らないがな。でも、緩急なのどの差が明確で、単調さは少ないぞ。

【観想】鍵盤の音楽。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

ヘンデルのハープシコード組曲は、ピアノで演奏されることも多い人気作です。

とりわけ「No.17」の「組曲 第5番 エア」は「調子の良い鍛冶屋」というタイトルで親しまれ、単独で演奏される機会も多いです。

当ブログ「ラフマニノフ〔愛奏曲集〕」では、ラフマニノフの演奏によるピアノ版を紹介していますので、ご覧いただけると嬉しいです。

ピアノは、打鍵することでハンマーが弦を叩く仕組みです。そのため音に強弱を付けられるのが特徴として誕生しました。クリストフォリによる発明当初は「ピアノフォルテ」という名称だったのは有名ですね。

一方ハープシコードは、打鍵することで爪が弦を爪弾く仕組みです。そのため音量はほぼ一定になります。

鍵盤楽器という打鍵楽器は多数あり、響きも様々です。色々なパターンで堪能したいですよね。

音楽家の略歴です。

<略歴> ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル
【独→英】1685-1759
大バッハと並ぶバロック音楽最大の作曲家。英語の歌詞によるオラトリオの作曲に新生面を見いだし、「メサイア」を含む数々の傑作を生み出した。このほかバロック様式の協奏曲、ソナタ等もあるが、バッハが教会音楽家であったのと対照的に、劇場または公開演奏会用の作品を中心としており、ドラマティックで色彩的な要素が強く、とくに合唱曲がすぐれている。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

鍵盤楽器って、種類が多いですよね。

同じ打鍵楽器でも、弦を鳴らすのではないオルガンやチェレスタなどもあるぞ。

【追想】バロックの特徴。

音楽史を検索して学習できます。

「【カラー】図解音楽事典 dtv-Atlas zur Musik」です。
【カラー】図解音楽事典 dtv-Atlas zur Musik U.ミヒェルス[編] / 角倉一朗[日本語監修] 白水社

「【カラー】図解音楽事典 dtv-Atlas zur Musik」(U.ミヒェルス[編] / 角倉一朗[日本語監修] 白水社です。

音楽史音楽理論がコンパクトに纏められています。

また、事典の特徴でもある索引は「人名索引」「題名索引」「地名索引」「事項索引」「欧文索引」とカテゴリーが豊富です。そのため、何かしらのキーワードで検索したい場合に、まずはカテゴリーから入れるので、とても有難いです。

さて、ハープシコードですが、イタリア名称の「チェンバロ」で記載されています。

因みに、ハープシコードはイギリス名で、他にもクラブサンはフランス名、クラヴィアはドイツ名となっています。

また、組曲というバロック時代に様式化された楽曲についても大きく記載されています。

バロック時代の組曲の特徴は、舞曲と非舞曲の組み合わせですね。

本アルバムでも、「アルマンド」「クーラント」「ジーグ」「サラバンド」「パッサカリア」などは舞曲の部類です。「プレリュード」「アレグロ」「アダージョ」「アンダンテ」「エア」などは、非舞曲の部類と言えるでしょう。

このように気になればすぐに調べられますので、とても重宝しています。

純粋に音楽史を一覧する書籍としても良いですよね。

特に図版を用いた解説が充実していて、とても読みやすいぞ。

【雑想】下手の横好き。(第67弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したヘンデルの「組曲 第5番 ホ長調 エア『調子の良い鍛冶屋』と5つの変奏曲」から、主題を抜粋して制作しています。

作曲家:ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル 作曲年:1720

原曲に合わせて、トラックをハープシコード(チェンバロ)で作成しています。
ピアノでトラックを作成した版は、「ミュージック(クラシック_01)」にありますので、是非聴いてみてください。

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

単発のヘンデル編でした。

正直なところ、このアルバムを購入したということが、完全に記憶から消えていました。

所有しているクラシックCDのアルバムを、ブログという形で棚卸しする機会があってこそ、思い出したという感がありますね。棚卸しという体のブログにして良かったと思います。

では、また。