こんにちは。はーねうすです。
今回は、「庭の千草 ~世界の愛唱歌集」を紹介します。
全編歌唱曲のオムニバス・アルバムですね。一度は耳にしたことがあるような有名曲ばかりが詰まっています。
伴奏もフル・オーケストラということもあって、とても豪華になっています。
因みに原題は「THE LAST ROSE OF SUMMER FAVOURITE SONGS」です。
★打ち込みクラシック
DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。
全編歌曲ですね。
声楽と管弦楽のコラボレーションに魅了されるぞ。
目次
【着想】魅惑のヴォイス。
「庭の千草 ~世界の愛唱歌集」のコンテンツです。
魅惑的な声楽と重厚な管弦楽の共演で、とても豪華で豪奢な内容になっています。どの楽曲も記憶に残る名旋律なので、「どこかで聴いたことがある」という感動を覚えます。
No. | 作曲家 | 曲名 | 作品番号 |
1 | マルティーニ | 愛の喜び | ― |
2 | A.スカルラッティ | すみれ | ― |
3 | ヘンデル | オンブラ・マイ・フ (懐かしい木陰) | ― |
4 | チアンビ | ニーナの死 | ― |
5 | フリース/伝モーツァルト | 子守歌 | ― |
6 | シューベルト | 子守歌 | Op.98-2 / D.498 |
7 | ブラームス | 子守歌 | Op.49 |
8 | シューベルト | アヴェ・マリア | Op.52-6 / D.839 |
9 | J.S.バッハ / グノー | アヴェ・マリア | ― |
10 | フロトウ | 庭の千草 (夏の名残のばら) | ― |
11 | ビショップ | ホーム・スウィート・ホーム (埴生の宿) | ― |
12 | ドヴォルザーク | わが母の教えたまいし歌 | Op.55 / B.104 |
13 | メンデルスゾーン | 歌の翼に | Op.34 |
14 | フォスター | 金髪のジョニー | ― |
15 | フォスター | 夢見る人 | ― |
16 | フォスター | 草競馬 | ― |
17 | アメリカ民謡 | ジョニーが凱旋するとき | ― |
18 | アメリカ民謡 | リパブリック讃歌 | ― |
19 | ロシア民謡 | ヴォルガの舟歌 | ― |
20 | ロシア民謡 | 黒い瞳 | ― |
[1] – [4],[12][13] リチャード・ボニング (指揮) / ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、[5] – [9] レオーネ・マジエラ (指揮) / ボローニャ市立歌劇場管弦楽団、[10][11] リチャード・ボニング (指揮) / ロンドン交響楽団、[14] – [18] カール・デイヴィス (指揮) / イギリス室内管弦楽団、[19][20] アタナス・マルガリトフ (指揮) / カルヴァ交響楽団
ちょっとした所感です。
<おすすめ度★★★>
「No.12」:ドヴォルザーク「わが母の教えたまいし歌」
ドラマティックな導入(イントロダクション)と、異国情緒感が漂う曲調が印象的な楽曲です。
ドラスティックな展開やオーケストラの多様な扱いが特徴的です。短い楽曲でありながらも、情報が圧縮されたかのような楽曲ですね。
映画「メゾン・ド・ヒミコ」(犬童一心監督 / 日本 / 2005)で、劇中曲として流れていました。
「No.3」:ヘンデル「オンブラ・マイ・フ (懐かしい木陰)」
ヘンデルの歌曲でも、とりわけ有名な楽曲ですね。「ヘンデルのラルゴ」というタイトルで器楽曲に編曲されている人気曲です。
原曲は歌劇「セルセ<クレスクセス>」のアリアです。落ち着いた曲調の中、強く高められる旋律が殊の外美しいです。
一幕に差し込まれた天上の音楽といった感があります。
「No.8」:シューベルト「アヴェ・マリア」
「アヴェ・マリア」というタイトルで、まず始めに思い浮かべる有名曲ですね。
息の長いフレーズとドラマ性が印象的です。また、冒頭の伴奏の音型も特徴的で、一聴してこの楽曲と認識できるほどに個性的です。
後半、歌詞を廃した合唱によるヴォカリーズも独特ですね。
「No.15」:フォスター「夢見る人」
フォスターの楽曲はどれもがキャッチで覚えやすいのですが、この楽曲は頭ひとつ抜き出た感がありますね。
民謡っぽくもあり、とても温かみのある雰囲気を纏った楽曲です。
<おすすめ度★★>
「No.6」:シューベルト「子守歌」
「子守歌」というタイトルで、まず始めに思い浮かべる有名曲ですね。
子守歌の特性でもある、構成の単純さもとても効果的になっています。
「No.7」:ブラームス「子守歌」
ブラームスの楽曲の中でも、一際優しげで温かみのある楽曲ですね。
和声も単純で、子守歌の特性として効果的になっています。
「No.9」:J.S.バッハ / グノー「アヴェ・マリア」
シューベルトの同名曲と人気を二分する有名曲ですね。
J.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」の「第1曲」を伴奏にして、歌唱旋律を載せるという大胆な試みが素敵ですね。
グノーのアレンジ・スキルもさることながら、J.S.バッハの普遍性に驚かされる楽曲ともいえそうです。
<おすすめ度★>
「No.10」:フロトウ「庭の千草 (夏の名残のばら)」
跳躍するモチーフが印象的ですね。何とも言い知れない優しい気分に包まれた楽曲です。
「No.11」:ビショップ「ホーム・スウィート・ホーム (埴生の宿)」
どこかで聴いたことがある、記憶に残る有名曲ですね。落ち着いた雰囲気をハープの伴奏が演出しています。
「No.1」:マルティーニ「愛の喜び」
聴き覚えのある楽曲で、記憶に残りやすい主題が特徴です。
「No.13」:メンデルスゾーン「歌の翼に」
メンデルスゾーンの歌曲の中でも、飛び抜けて有名曲ですね。器楽曲へのアレンジでも人気です。
どの楽曲も耳に馴染んだ作品ばかりで、何度でも繰り返し聴きたくなるアルバムですね。
一概に歌曲といっても、色んなタイプがあるのですね。
歌劇のアリアや歌曲集からの抜粋、民謡にポピュラーなど様々な楽曲が収められているな。
【観想】民謡との相性。
魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。
このアルバムでは、作曲家によるオリジナル楽曲以外に、民謡も収録されています。
「No.17」から「No.20」が相当しますね。
「No.17」と「No.18」はアメリカの民謡です。民謡と言うよりも軍歌といた感が強いですね。
「No.19」と「No.20」はロシアの民謡です。ロシア音楽の作曲家に通底する精神のようなものを窺い知れる曲調が印象的ですね。
さて、アルバムのタイトルにもなっている「No.10」の「庭の千草 (夏の名残のばら)」は、フロトウの歌劇「マルタ」の一曲です。
実は、アイルランド民謡「庭の千草」を借用して、「夏の名残のばら」という楽曲として組み入れたものなのです。
なぜ括弧付きのなのかという疑問が晴れましたね。
逆に「No.11」の「ホーム・スウィート・ホーム (埴生の宿)」は、当初シチリア民謡とビショップ本人が発表していました。そのため、民謡と思われていましたが、実際はビショップのオリジナル楽曲だということが判明したというエピソードがあります。面白いですね。
音楽家の略歴です。
<略歴> フリードリヒ・フォン・フロトウ 【独】1812-1883 フランスのオペラ・コミックの作曲家として出発し、ドイツのジングシュピールの伝統にエレガントなフランス風様式を結びつけた通俗的歌劇で成功。 (「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋) <略歴> ヘンリー・ローリー・ビショップ 【英】1786-1855 バラッド・オペラの系統をついだ通俗的歌劇、オペラ・ファルサを多数作曲。 (「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)
民謡にも色々な種類がありそうですね。
地域性が色濃く反映されるぞ。東洋に多い五音音階や、アイリッシュの6拍子などの特徴が挙げられるな。
【追想】ピアノアレンジの子守歌。
優しさに満ちたアレンジです。
「ブラームス 子守歌 OP.49-NO.4」(全音楽譜出版社)です。
ブラームスの歌曲「5つのリート」の第4曲目に配置された「子守歌」を、ピアノ独奏用にアレンジした楽譜ですね。
オリジナルは「変ホ長調」ですが、ピアノ独奏用にアレンジしたこの版は「ヘ長調」になっています。譜読みも幾分か楽になっています。
今回紹介したアルバムでは、管弦楽による伴奏であったため、随分と印象が異なります。ですが、ブラームスが「子守歌」に込めた「優しさ」は同質です。
歌曲、管弦楽、ピアノなど、多種多様にアレンジされる楽曲って良いですよね。
この様なピアノ・アレンジだと、初学者でもチャレンジできそうですね。
しかも有名曲だから、モチベーションにもなるよな。
【雑想】下手の横好き。(第68弾)
クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。
「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。
今回は、<おすすめ度★★>として紹介したブラームスの「子守歌」のピアノ独奏版です。
ピアノ独奏用の楽譜は、【追想】で紹介した全音楽譜出版社の版になります。
作曲家:ヨハネス・ブラームス 作曲年:1868
他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。
・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)
長く続く趣味を持ちたいです。
今回は、歌曲集でした。
器楽曲の作品を偏愛していますので、歌曲のアルバムを進んで蒐集することはありませんでした。
ですが、今回紹介させていただいたアルバムに収録されているドヴォルザークの楽曲を聴いてからは、色々と集めるようになりました。
とりわけ、「アヴェ・マリア」には惚れ込んでしまいました。複数のアルバムがありますので、いずれ連続して紹介させていただきます。
では、また。
器楽とは異なった、歌曲の魅力をもっと知りたいですね。
そうだな。楽曲に言語が加わるので、一気に情報量が増えるのも面白い点だな。何語でどのような歌詞を歌っているのか、などだな。