こんにちは。はーねうすです。

今回は、「プロコフィエフ ピアノ・ソナタ 第8番 / ロミオとジュリエット – ピアノのための組曲」を紹介します。

ピアノ版「ロミオとジュリエット」が収録されているのがポイントですね。

ピアノ演奏は、スティーヴン・デ・フローテ氏です。

アルバムの原題は「Prokofief Piano Sonata No.8 / Romeo & Juliet – Suite for piano」です。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

プロコフィエフのロミオ&ジュリエットですね。

元はバレエ音楽だな。

【着想】厳選されたピアノ編曲。

「プロコフィエフ ピアノ・ソナタ 第8番 / ロミオとジュリエット – ピアノのための組曲」のコンテンツです。

「プロコフィエフ ピアノ・ソナタ 第8番 / ロミオとジュリエット - ピアノのための組曲」です。
プロコフィエフ ピアノ・ソナタ 第8番 / ロミオとジュリエット – ピアノのための組曲 レーベル[apex]

メインは「ロミオとジュリエット – ピアノのための組曲」になりますね。
元はバレエ音楽「ロメオとジュリエット」で、管弦楽曲です。その中から10曲がピアノ用に作曲家の手によって編曲されています。

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1Piano Sonata No.8I. Andante dolceOp.84
2Piano Sonata No.8II. Andante sognandoOp.84
3Piano Sonata No.8III. VivaceOp.84
4Romeo & Juliet – Suite for pianoI. National Dance (Allegro giocoso)Op.75
5Romeo & Juliet – Suite for pianoII. Scene (Allegretto)Op.75
6Romeo & Juliet – Suite for pianoIII. Menuet (Assai moderato)Op.75
7Romeo & Juliet – Suite for pianoIV. Juliet (Vivace)Op.75
8Romeo & Juliet – Suite for pianoV. Masks (Andante marciale)Op.75
9Romeo & Juliet – Suite for pianoVI. The Montagues and Capulets (Allegro pesante)Op.75
10Romeo & Juliet – Suite for pianoVII. Friar Laurence (Andante con eleganza)Op.75
11Romeo & Juliet – Suite for pianoVIII. MercutioOp.75
12Romeo & Juliet – Suite for pianoIX. Dance of the Young Girls (Andante con eleganza)Op.75
13Romeo & Juliet – Suite for pianoX. Romeo and Juliet before Separation (Lento)Op.75

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.7」:「Romeo & Juliet – Suite for piano『IV. Juliet』」

シェイクスピア劇の要素を詰め込んだような、喜劇性悲劇性が同居した楽曲です。

軽快に弾け飛ぶ様に駆け上がる主題は、幼いジュリエットのお転婆さや茶目っ気、旺盛な好奇心を描写したかのような曲調です。

その後に差し込まれる、所謂「ジュリエットのテーマ」が何とも愛らしいですね。

そして悲劇を匂わせる、終幕を示すかのような物悲しく、切ない心象を抱かせるが配置されています。

これらの主題やモチーフが、キーや伴奏型の変化、装飾を追加を伴って繰り返されます。そのため、否応なくこの楽曲が中心的な役割を担っていると思わされます。

「No.13」:「Romeo & Juliet – Suite for piano『X. Romeo and Juliet before Separation』」

一連の物語を回想するかのような位置づけの楽曲です。

この楽曲以前に登場した色々なモチーフを変形したり、崩したりしています。それにより、悲劇的な結末を迎える不穏な雰囲気を演出しています。

この組曲が、モチーフの扱いによって全体を統一していることを、改めて理解できる楽曲ですね。

<おすすめ度★★>

「No.9」:「Romeo & Juliet – Suite for piano『VI. The Montagues and Capulets』」

お家間の因縁めいた対立構造を表した楽曲です。

力強い和音の扱いで、重苦しくぎすぎすとした緊張感を生み出しています。

「No.12」:「Romeo & Juliet – Suite for piano『Dance of the Young Girls』」

「No.7」に登場する「ジュリエットのテーマ」を変形させた楽曲です。

陰鬱な心情を表出するかのような曲調に転じることで、悲劇的な幕引きを予感させるような効果があります。

<おすすめ度★>

「No.4」:「Romeo & Juliet – Suite for piano『I. National Dance』」

リズミカルで明朗快活な主題が印象的な楽曲です。

楽しげな場面の雰囲気を醸し出していることが、却って悲劇を際立たせる効果を生んでいるような楽曲ですね。

プロコフィエフ作曲の「ピーターと狼」を想起させる曲調になっています。

「No.6」:「Romeo & Juliet – Suite for piano『III. Menuet』」

楽しげな舞踏の場面を描いた楽曲です。「ジュリエットのテーマ」がお淑やかなイメージに変形されています。


プロコフィエフ独特の、幅の広い和音やリズム感が特徴的な効果となっています。同じロシアの作曲家であるチャイコフスキーが手掛けた同タイトルとは全く趣を異にした作品といえるでしょう。

「プロコフィエフ ピアノ・ソナタ 第8番 / ロミオとジュリエット - ピアノのための組曲」です。
プロコフィエフ ピアノ・ソナタ 第8番 / ロミオとジュリエット – ピアノのための組曲 レーベル[apex]

あれ? 「Mercutio」にだけ速度標語がありませんね。ミスプリントでしょうか。

そこ気になっちゃう。楽譜でも〔 〕付きの扱いなので、ミスプリントではなく訳があって記載していないと考えられるな。

【観想】ロミオとジュリエットの主題。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

「ロミオとジューリエット」です。
ロミオとジューリエット シェイクスピア[著] / 平井正穂[訳]  岩波文庫

「ロミオとジューリエット」(シェイクスピア[著] / 平井正穂[訳] / 岩波文庫)です。

あらゆる芸術に影響を与えた、シェイクスピア劇でも「悲恋」が際立った作品ですね。

舞台に限らず、バレエやオペラ、映画などで演じられていますね。

劇伴という音楽が加わることで、聴感上の立体描写や心象描写により深みが増し、総合芸術へと昇華しているように感じ取れます。

お気に入りの「ロミオとジュリエット」の音楽を聴きながら、テキストを読むのも一興ですね。

音楽家の略歴です。

<略歴> セルゲイ・セルゲーエヴィチ・プロコフィエフ
【露】1891-1953
帝政ロシア末期のロシア・モダニズムから、ソ連の社会主義リアリズムの時代にわたる長期の作曲活動によって、20世紀を代表する作曲家の一人。ロシア革命後、アメリカ、西ヨーロッパで活躍したが、1933年祖国に復帰。従来の前衛的なものから、ソ連の現状に合った大衆的方向に修正、明快で新鮮な作風をつくりあげた。

やはり書籍は読んでおくべきですね。

よりよく作品を理解する上では、原作に当たっておくのは必須だな。

【追想】楽曲解説の鑑。

濃厚な楽曲分析に感服です。

「プロコフィエフ <ロメオとジュリエット> - ピアノのための10の小品」です。
プロコフィエフ <ロメオとジュリエット> – ピアノのための10の小品 北川正[運指・ペダル] / 山口博史[解説] 全音楽譜出版社

「プロコフィエフ <ロメオとジュリエット> – ピアノのための10の小品」(北川正[運指・ペダル] / 山口博史[解説] / 全音楽譜出版社)です。

プロコフィエフ特有のノリを、楽譜からも感じ取ることができます。スタッカート記号やテヌート記号の多さなどが良い例ですね。

加えて、オクターブを超える和音ですね。しかもアルペジオの指定がないので、縦方向に特有の音響が生まれている理由がよく分かります。

そして巻末にある解説ですね。ここに掲載されている「楽曲分析」が慧眼です。

原曲であるバレエ音楽との比較分析が主になっています。管弦楽曲で配された各楽器の役割が、ピアノ版ではどのように移行されているのかなど、懇切丁寧に解説されています。

また、各曲が含まれる劇の場面も紹介されているので、より良く理解するための工夫があり、とても嬉しくなります。

アナリーゼ(楽曲分析)とはかくあるべき、と感服するばかりです。

楽曲分析ですが、細かいところまで行き届いていて驚きですね。

プロコフィエフの特長を指摘する箇所もあって、とても意義深い分析だぞ。

【雑想】下手の横好き。(第69弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したプロコフィエフの「少女ジュリエット(Juliet)」です。

作曲家:セルゲイ・セルゲーヴィチ・プロコフィエフ 作曲年:1937

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

今回からプロコフィエフ編になります。

今回紹介したアルバムの購入動機は、「ロミオとジュリエットのピアノ版が含まれている」からです。

とりわけ「ジュリエットのテーマ」に魅了されたのが原因ですね。

プロコフィエフの作品については、あまり繰り返し聴いてはいません。これからもっと聴いてみたいですね。

では、また。

ジュリエットのテーマ、可愛らしくて良いですね。

色々な作曲家が作っているよな。映画音楽ではニーノ・ロータ氏の作品が素敵だぞ。