こんにちは。はーねうすです。
今回は、「ラフマニノフ 愛奏曲集〔自動ピアノ録音〕」を紹介します。以前に紹介した「自作自演集」と同じ「世界の巨匠シリーズ」のひとつで、これまた同じく自動ピアノによる録音をした音源になります。(自動ピアノも同じくAMPICO製です)
「愛奏曲集」では、他作曲家の作品を主幹に演奏・録音しています。
★打ち込みクラシック
DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。
また、ラフマニノフの愛奏曲集ですね。
そんでもって、自動ピアノ録音だ。
目次
【着想】鍵盤の巨人。
「ラフマニノフ 愛奏曲集〔自動ピアノ録音〕」のコンテンツです。
前編他作曲家の作品を取り上げていますので、純粋にピアニストとしてのラフマニノフの演奏を楽しめると思います。
No. | 作曲家(編曲家) | 曲名 | 作品番号 |
1 | ショパン (リスト編) | 乙女の願い | ― |
2 | ビゼー (ラフマニノフ編) | メヌエット (「アルルの女」より) | ― |
3 | パデレフスキ | メヌエットメヌエット | ― |
4 | ルビンシテイン | 舟歌 | ― |
5 | チャイコフスキー | トロイカ ホ長調 | Op.37-11 |
6 | チャイコフスキー | ワルツ 変イ長調 | Op.40-8 |
7 | J.S.バッハ | サラバンド (パルティータ 第4番より) | BWV.828 |
8 | ベートーヴェン (ルビンシテイン編) | 行進曲 | ― |
9 | グルック (スガンバティ編) | メロディー (歌劇「オルフェとエウリディーチェ」より) | ― |
10 | メンデルスゾーン | 紡ぎ歌 (無言歌集より) | ― |
11 | ヘンゼルト | 練習曲 嬰ヘ長調「もしも小鳥ならば」 | Op.2-6 |
12 | シューベルト (リスト編) | さすらい | ― |
13 | シューベルト | 即興曲 第4番 変イ長調 | D.899-4 |
14 | ショパン | スケルツォ 第2番 ロ短調 | Op.31 |
15 | ショパン | 夜想曲 第4番 ヘ長調 | Op15-1 |
16 | ショパン | ワルツ 第1番 変ホ長調「華麗なる大円舞曲」 | Op.18 |
17 | ショパン | ワルツ 第3番 ヘ長調「華麗なる円舞曲」 | Op.34-3 |
ちょっとした所感です。
<おすすめ度★★★>
「No.14」:ショパン「スケルツォ 第2番 ロ短調」
「No.1」、「No.14」~「No.17」のショパンの作品は必聴ですね。とりわけ「No.14」の「スケルツォ」は圧巻です。
ラフマニノフの作品は、ショパンを意識していたことを強く感じさせられます。そのため、「愛奏曲」というかたちでショパンを演奏するラフマニノフのピアノを聴くと、とても感慨深いものがありますね。
<おすすめ度★★>
「No.7」:J.S.バッハ「サラバンド (パルティータ 第4番より)」
バロック音楽が、まるでロマン主義の芳香に満ちた印象で再現されています。元がチェンバロ曲であることも忘れてしまいそうです。
<おすすめ度★>
「No.5」:チャイコフスキー「トロイカ」
チャイコフスキーのピアノ曲集「四季」でも最もメジャーな1曲です。11月に位置づけられています。
ラフマニノフにとってチャイコフスキーは敬愛すべき大先輩であり面識もありました。このようなかたちでラフマニノフ自身のピアノでチャイコフスキーの楽曲を聴くのも素敵ですね。
以前に紹介した「自作自演集」や「愛奏曲集(レコード音源)」では、どちらかというと小規模作が多いイメージでしたが、こちらはスケールが大きめの作品が多く感じられます。
ライナーノーツ(福本健一氏著)には、「ピアニストとしての自らの技巧や表現力を発揮させるために書いた自作のピアノ作品を情感豊かに演奏しているが、当然のように他の作曲家たちの作品もロシア人特有の粘り気のある表情で演奏」と評しています。
繰り返しで、しつこくなりますが、ラフマニノフ本人の演奏を、このような形で耳にできるのはとても幸せなことですね。
ショパンの作品が多いですね。やはり音楽家として意識していたのでしょうか。
そりゃするだろう。ピアノやチェロのソナタなど、要所要所でショパンと同じ調性で作曲しているぞ。
【観想】超人的技巧と情感的表現。
魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。
ショパンの作品である「No.14」の「スケルツォ 第2番 ロ短調」や「No.16」「ワルツ 第1番 変ホ長調」のなど、技巧的で華やかな演奏も魅力ですが、「No.4」の「舟歌」や「No.5」の「トロイカ ホ長調」といった情感に満ちた演奏も良いですね。巨大なスケールや迫力と、小規模で繊細な表現の対比を楽しむのも、醍醐味のひとつです。
また、同郷の作曲家の作品を、とても素敵な形で取り上げてあるのが良いですね。
ところで、「No.8」の「行進曲」にみられるベートーヴェン作の演奏・録音は、ラフマニノフには珍しいと勝手な感想をもっていますが、いかがでしょうか。
音楽家の略歴です。
<略歴> セルゲイ・ラフマニノフ 【露】1873-1943 チャイコフスキーの影響を強くうけたモスクワ学派の様式を守り、ピアノ曲を中心にしたあらゆる分野の作品を残す。ロシア革命でスイスに亡命、その後はもっぱらピアノ・ヴィルトゥオーソとしてヨーロッパ、アメリカで活躍。 (「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)
同郷ロシアの作曲家の作品が少ないですね。意外です。
別にピアノ曲が不毛であった、という訳でもない。ただ、ラフマニノフの食指が動いた先には少なかったのだろう。
【追想】ピアニスト・ラフマニノフ。
百花繚乱の時代です。
ラフマニノフが活躍した、19世紀後半から20世紀半ばは、多様に満ちた時代といえるでしょう。主にファインアート(絵画芸術)が先鞭となり、コンテンポラリー(前衛)の作品が目立つようになりました。音楽もシェーンベルクの十二音技法に代表される無調音楽や、実験的な作品も増えた時代で、まさに「これこそ音楽」から「これも音楽」といった概念の変革期にあったといえるでしょう。
「ショパンが弾けた!?」(伊能美智子[著] 春秋社)では、「ロマン派のあとは、音楽の中心が世界各地に散らばって、どれが主流とは言えないほどになり」「ある意味では民族主義音楽の時代」で「代表的な顔ぶれをみますと、実にさまざまな国の出身者が並んでいることに驚かされます。」(93ページ抜粋)と述べられています。その「さまざまな国」のひとりとしてラフマニノフもこの本で名前を連ねています。
本書は、ショパンについてだけでなく、音楽史を通してピアニストの系譜といった史観を教えてくれます。
シェーンベルクが出てきましたね。
そこ気になっちゃう?。まぁ、調性音楽を破壊した音楽家のひとりで間違いないな。いずれアルバムを紹介するそうだ。
【雑想】下手の横好き。(第10弾)
クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。
「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。
今回は、<おすすめ度★★>として紹介したJ.S.バッハの「サラバンド (パルティータ 第4番より)」です。正確には「6つのパルティータ 第4番 ニ長調 第5楽章 サラバンド」です。
ピアノ演奏用にしています。
他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。
・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)
クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。
長く続く趣味を持ちたいです。
引き続き、ラフマニノフ編でしたね。
以前にも紹介したのと同様、ラフマニノフの演奏を「自動ピアノ」という形で記録したアルバムになります。このように稀有なアルバムに出会うと興奮しますよね。
加えて、ショパンの作品が多く取り上げられているのが魅力ですね。とりわけ規模の大きい楽曲が収録されていたのは僥倖でした。
では、また。
今回もラフマニノフが好んで演奏した楽曲を納めたアルバムでしたね。
自動ピアノによる録音だな。レコード録音とは違った味わいがあるな。