こんにちは。はーねうすです。
今回は、「スワニルダのワルツ/カラヤン・ホーム・コンサート」を紹介します。
ヘルベルト・フォン・カラヤン氏の指揮+ベルリン・フィルハーモニーの演奏という最強タッグのアルバムです。
オペラの序曲や民俗風の楽曲など、色とりどりの音楽が大管弦楽で奏でられる贅沢なオムニバス・アルバムです。
聴き覚えのある楽曲ばかりなので、クラシック音楽の入門としても打って付けですね。
★打ち込みクラシック
DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。
定例の変則回ですね。
前回の変則回と同様、カラヤン+ベルリン・フィルで収録されたアルバムの紹介だな。
目次
【着想】多種多様なラインナップ。
「スワニルダのワルツ/カラヤン・ホーム・コンサート」のコンテンツです。
オムニバス形式で集められた楽曲群になります。そのため、オペラの序曲と行進曲といった形式の違い、ロマン主義と印象主義といった様式の違いなど、多種で多様な音楽を楽しむことができます。
No. | 作曲家 | 曲名 | 作品番号 |
1 | J.シュトラウス | 喜歌劇『ジプシー男爵』序曲 | ― |
2 | ドリーブ | 『コッペリア』から情景とスワニルダのワルツ | ― |
3 | ワーグナー | ワルキューレの騎行 | ― |
4 | ドビュッシー | 牧神の午後への前奏曲 | ― |
5 | ドヴォルザーク | スラブ舞曲 第10番 | Op.72 |
6 | 父J.シュトラウス | ラデツキー行進曲 | Op.228 |
7 | チャイコフスキー | スラブ行進曲 | Op.31 |
8 | ボロディン | ダッタン人の踊り | ― |
9 | レスピーギ | リュートのための古代舞曲とアリア 第3組曲から シチリアーナ | ― |
10 | リスト | ハンガリー狂詩曲 第2番 | ― |
ちょっとした所感です。
<おすすめ度★★★>
「No.2」:ドリーブ「『コッペリア』から情景とスワニルダのワルツ」
典雅・風雅・優雅と形容したい趣に溢れた楽曲です。
「情景」と題された冒頭部分は、フルートによって生み出される旋律と音響がとても幻想的です。
主部にあたる「ワルツ」は、単純な線を描きながらも、半音階の経過を織り込むことによって生じるゆらぎが、一種独特の味わいとなっています。
ウインナワルツのような趣向で構成された、如何にもワルツといった流麗な曲調が素敵です。
「No.3」:ワーグナー「ワルキューレの騎行」
タイトルを見ただけでも音楽が思い浮かんでしまうほどの、超有名曲です。
弦の動きで奏でられる伴奏部分だけを取っても「ワルキューレの騎行」であると特徴付ける、唯一無二の個性があります。
管楽器の主旋律を支える弦楽器のパッセージは、異様と言えるほど動きまくっています。群をなして飛翔する情景を、ここまで巧みに描ききった音楽は他にないと断言できそうです。
ソプラノの独唱も、ブリュンヒルデの闇の感じがあっていいですね。
「No.4」:ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」
管楽器の不安定な旋律と音色が楽曲全体を支配している、幻想的で幻惑的な楽曲です。
微睡みの中で垣間見た幻覚を、音楽で表現したかのような不思議さに溢れています。
<おすすめ度★★>
「No.8」:ボロディン「ダッタン人の踊り」
リピートして聴いていたくなる、とても安らぎを感じる旋律と音響を有する楽曲です。
ボロディンという作曲家名を知らなくても、曲は知っているといういほど印象に残る有名曲です。
本曲については当ブログの「ボロディン作品集」で取り上げていますので、合わせてご覧いただければ嬉しいです。
「No.9」:レスピーギ「リュートのための古代舞曲とアリア 第3組曲から シチリアーナ」
16世紀頃の古楽を編曲した楽曲で、メランコリックな情緒を醸し出しているのが特徴です。
古楽の旋律線と音運びの構成は、哀愁の情感を強く漂わせる効果になっています。
「No.5」:ドヴォルザーク「スラブ舞曲 第10番」
鬱屈と悲観、歓喜と楽観、といった曲想の対比が素敵な楽曲です。
アイッデンティティを感じさせる民俗舞踏のリズムに惹かれます。
ドヴォルザークのスラブ舞曲中、最も有名は楽曲と言って過言ではないと思います。
<おすすめ度★>
「No.1」:J.シュトラウス「喜歌劇『ジプシー男爵』序曲」
聴き所を詰め込んだ、起伏に富んだ展開が楽しい楽曲です。
目まぐるしく転換する様は、序曲でしか味わえない面白みがあります。
「No.7」:チャイコフスキー「スラブ行進曲」
何処かきな臭さと焦燥感のある不穏な曲調を持つ主部が、際だった印象を与える楽曲です。
「No.10」:リスト「ハンガリー狂詩曲 第2番」
リストのハンガリー狂詩曲の中でもトップクラスに有名なピアノ曲を、管弦楽に移し替えた楽曲です。
郷愁の想念を重苦しく描いたような重厚な部位、哀愁の心情を描いたような憂鬱気味な部位、軽やかな舞踏を描いたような部位などで構成されています。
ピアノ原曲とは違った音響が楽しいですね。
どの曲もが美味で、このアルバム1枚でお腹が一杯です。
あれ? ジャケット裏の曲目ですが、10曲目だけ作曲家名がありません。確かリストですよね。リストだけに。。。
。。。、校正時のミスだろう。わざわざ触れてあげなさんな。あと、ダジャレれはいらん。
【観想】カラヤンのスピード感。
魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。
ヘルベルト・フォン・カラヤン氏が指揮する楽曲は、他指揮者が演奏する同曲よりも、速度が幾許か速いという特徴があります。
カラヤン自身も、スピードという時間概念に惹かれていたようです。プライベートでは自家用セスナを操縦したというのは有名です。(関係はないのかもしれませんが。)
今回紹介したアルバムの中でもドリーブの「『コッペリア』から情景とスワニルダのワルツ」は顕著ですね。
コーダが特に際立っています。曲想の速度指定よりも速いと感じとれます。
加えて、減速と加速ですね。とりわけ加速部分は聴き手に昂揚感を与えます。
とはいえ、必ずしも速い側へのスピード感(速度感)に偏っているわけでもないと思います。
例えば、マーラーの交響曲 第5番のアダージェット楽章。遅いと感じられるほどゆったりと流れる音楽は、やはりカラヤン氏ならではの美があります。
また、「アダージョ・カラヤン」というシリーズのアルバムがリリースされていたことからも、「カラヤン=スピード狂」というステレオタイプは通用しないでしょう。
音楽家の略歴です。
<略歴> クレマン・フィリベール・レオ・ドリーブ 【仏】1836-1891 初めオペレッタを手がけ、のちにバレエ音楽に転じて、この領域でフランス古典バレエの典型となる傑作を生み、さらに歌劇にもすぐれた作品を残す。 (「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)
ところで、スワニルダとは何でしょうか。名前ですかね。
バレエ『コッペリア』に登場するヒロインの名前だな。
【追想】ピアノ・アレンジの独創性。
スワニルダのワルツのピアノ譜です。
「全音ピアノピース コッペリアの円舞曲」(全音楽譜出版社)です。
譜面を見て直ぐに分かりますが、今回紹介したアルバムに紹介されていた「『コッペリア』から情景とスワニルダのワルツ」とは構成が異なっています。
タイトルから判断できるとおり、「情景」の部分はピアノ・アレンジに加えられていません。
最も有名な「ワルツ」にフォーカスされた内容になっています。
あの何とも言えない幻想的なフルートの音色を、どのようにピアノで表現されるのかを楽しみにしていた分、少し物足りなさを感じますね。
だからといって、ピアノ・アレンジの質が下がる訳ではありません。ピアノ中級者向け(全音ピアノピースでは難易度「C」)で再現された譜面は、原曲の風味を存分にピアノで再現されています。
加えて、冒頭に原曲の経過句に倣った序奏部があり、とても良い演出になっています。
ところで、コッペリアって何ですか。バレエのタイトルだとは分かるのですが。。。
コッペリウスという人物が作った自動人形の名前だな。バレエは、自動人形『コッペリウス』に恋慕する青年と、そんな青年に恋慕するスワニルダの物語だぞ。
【雑想】下手の横好き。(第90弾)
クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。
「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。
今回は、<おすすめ度★★>として紹介したドリーブの「『コッペリア』から情景とスワニルダのワルツ」のワルツ部分のピアノ編曲版(【追想】で紹介した全音ピアノピース版)です。
他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。
・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)
クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。
長く続く趣味を持ちたいです。
今回は定例の変則回でした。
楽曲ではなく、「ヘルベルト・カラヤン指揮・ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」に主眼が置かれたアルバムでしたね。
一時期ヘルベルト・フォン・カラヤン氏が指揮するアルバムにどはまりして、片っ端から買い漁っていた、という時期がありました。(今でも演奏家主体で、アルバム購入を決意する姿勢は変わっていませんが。。。)
いずれカラヤン編に突入すると思います。
次回はチャイコフスキー編に戻ります。
では、また。
変則回で取り上げるよりも、カラヤン編として紹介した方が良かったのでは。。。アルバムのタイトルにも「カラヤン」って入っていますし。
今更で、もう遅い。ブログ管理者も気づいたときには「やってもうた感」で一杯だったのようだ。