こんにちは。はーねうすです。

今回は、「世界の巨匠シリーズ」の「ラフマニノフ〔自作自演集〕」を紹介します。
ラフマニノフは、言わずと知れたピアノのヴィルトゥオーソでもあり、演奏の録音も残っています。

ただ、今回紹介するCDに納められているのは「自動ピアノ録音」による再現です。自動ピアノ録音というワードも然る事ながら、英語表記の「AMPICO PIANO ROLL RECORDINGS」にある「AMPICOって何?」という疑問もわいてきます。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

セルゲイ・ラフマニノフですね。

19世紀末期から20世紀半ばまで活躍した、ロシア出身の音楽家だな。

【着想】自作自演と編曲集の魅力が満載。

「ラフマニノフ〔自作自演集〕」のコンテンツです。

ラフマニノフ「自作自演集」自動ピアノ演奏です。
ラフマニノフ 自作自演集 レーベル [LONDON]

ラフマニノフ自作品のみならず、ピアノ編曲も納められています。ラフマニノフの愛奏集といった趣がありますね。

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1幻想小品集 第1曲エレジー 変ホ短調Op.3
2幻想小品集 第2曲前奏曲 嬰ハ短調Op.3
3幻想小品集 第3曲メロディー ホ長調Op.3
4幻想小品集 第4曲道化役者 嬰ヘ短調Op.3
5幻想小品集 第5曲セレナード 変ロ短調Op.3
6舟歌 ト短調Op.10-3
7フモレスケ ト長調Op.10-5
8前奏曲 ト短調Op.23-5
9練習曲「音の絵」ロ短調Op.39-4
10練習曲「音の絵」イ短調Op.39-6
11リラの花(同名歌曲)Op.21-5
12V.R.のポルカ
13編曲集ムソルグスキー:ホパーク
14編曲集シューベルト:小川
15編曲集リムスキー=コルサコフ:くまんばちの飛行
16編曲集アメリカ国歌
17編曲集クライスラー:愛の悲しみ
18編曲集クライスラー:愛の喜び

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.2」:「前奏曲 嬰ハ短調」

鐘の音を模したという、重厚な和音で構成される主題が特徴的ですね。重苦しく鳴り響く音の連なりの後、中間部ではそれまでの鬱屈をはね除けるかのような、猛攻とも言えるパッセージの展開が表われます。そして極限までに高められた後、勢いはそのままで主題への復帰します。低音域により厚みを持たせ、轟音とも受け取れる音響は、徐々に勢いを弱め、終局では消え入るかのようになります。とてもドラスティックな楽曲ですね。

<おすすめ度★★>

「No.1」:「エレジー 変ホ短調」
「No.3」:「メロディー ホ長調」

この2曲も「これぞラフマニノフ」といった趣で、メランコリック全開といった風味です。
その代表格と言っても過言ではないでしょう。

<おすすめ度★>

編曲集は有名どころばかりで、一聴して「聴いたことがある」と感じます。

「No.15」:「くまんばちの飛行」

とりわけは、映画「シャイン」(監督:スコット・ヒックス/オーストラリア/1996年)で、ジェフリー・ラッシュ氏演じるデヴィッド・ヘルフゴット氏の演奏したシーンが圧巻でした。

「No.17」:「愛の悲しみ」
「No.18」:「愛の喜び」

クライスラーのヴァイオリン曲でとりわけ有名です。ピアノ・アレンジでの印象と聴き比べるのも一興ですね。

ラフマニノフ「自作自演集」自動ピアノ演奏です。
ラフマニノフ 自作自演集 レーベル [LONDON]

ところで、ヴィルトゥオーソって何でしょうか。

特出した技巧をもった者という意味で、イタリア語だな。

【観想】幻想小品集の魔力に魅了。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

CDのライナーノーツ(柴田龍一著)には「若き日のラフマニノフならではの初々しい魅力をいっぱいにたたえた作品」と評しています。加えて「No.2」については「ラフマニノフもこれを好んでしばしば演奏したと伝えられている。」とあり、まさに「自作自演集」に適した楽曲といえるでしょう。

補足ですが、「クラシック音楽作品名辞典」にも「No.2」について「鐘の音を模したといわれる名曲。」とあり、この曲がラフマニノフを特徴づける曲目であることが印象づけられます。
なお、「自動ピアノ録音」については、「図解音楽事典」にも記載がなかったので、いずれ調査した結果を報告したいと思います。

因みに冒頭で「?」とした「AMPICO」ですが「American Piano Company」の略称で、自動ピアノも手掛けたピアノ製造会社だそうです。

音楽家の略歴です。

<略歴> セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ
【露】1873-1943
チャイコフスキーの影響を強くうけたモスクワ学派の様式を守り、ピアノ曲を中心にしたあらゆる分野の作品を残す。ロシア革命でスイスに亡命、その後はもっぱらピアノ・ヴィルトゥオーソとしてヨーロッパ、アメリカで活躍。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

自作品の演奏を、録音という形で残せるというのは素敵ですよね。

そりゃそうだ。無論鑑賞者にとっても無二の悦びになりえるぞ。

【追想】ラフマニノフへの狂喜。

ラフマニノフ作品にのめり込んだきっかけです。

アダージョ・ラフマニノフです。
アダージョ・ラフマニノフ

ラフマニノフの音楽に触れたきっかけは、「Adagio Karajan (アダージョ・カラヤン)」が含まれた「ADAGIO BOX」を購入し、その1枚に「アダージョ・ラフマニノフ」があったことでした。特に「ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調」の第2楽章にメロメロになりました。

また、【着想】で触れたとおり、映画「シャイン」の鑑賞が「狂喜」への大きな引き金となりました。
これらについては、関連する楽曲を紹介する際に案内したいと思います。

カラヤンっていう方も音楽家なのでしょうか。

勿論だ。20世紀に活躍した指揮者で、マエストロ(巨匠)だよ。その圧倒的な支配力から「帝王」とも渾名されていたぞ。

【雑想】下手の横好き。(第2弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したラフマニノフの「前奏曲 嬰ハ短調」です。

作曲家:セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ 作曲年:1892

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

前回のヴィヴァルディは「試作(プロトタイプ)」でしたので、今回のセルゲイ・ラフマニノが初のアルバム紹介ということになります。

ラフマニノフの音楽は、とにかくその旋律美に魅せられます。大衆受けが過ぎるとして、敬遠されがちな作曲家ではありますが、そのような批判を抜きにして純粋に酔いしれたいですね。

クラシック音楽の鑑賞に限らず、制作と受容の方面から「作品」を楽しめる趣味にしたいですね。

では、また。

ラフマニノフ編でしたね。

ピアニストとしての側面が強い作曲家だな。そのため、何かしらの方法で録音が残っているのは嬉しいよな。