こんにちは。はーねうすです。
今回は、「赤盤復刻シリーズ」の「ラフマニノフ〔愛奏曲集〕」を紹介します。
前回に紹介した「自作自演集」は自動ピアノ録音でしたが、こちらはレコード(SP)録音です。ラフマニノフは最晩年までレコードで演奏を録音しているので、このようなリマスタリングによるCDがあります。で、見かけたら購入しています。。。
なお、CDの正式名称は「Sergei Rachmaninoff Plays His Favorites 1925-1942」です。1942年はラフマニノフが亡くなる前年で、これだけでもラフマニノフが精力的にレコード録音に取り組んでいたのが伺えます。
★打ち込みクラシック
DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。
今回も、ラフマニノフですね。それもレコード録音盤のようです。
こちらは、他作曲家の作品を演奏したものだな。とてもユニークだぞ。
目次
【着想】他作曲家の作品を快演で怪演。
「ラフマニノフ〔愛奏曲集〕」のコンテンツです。
「自作自演集」にも他作曲家の作品を演奏していましたが、それらはラフマニノフ本人によるピアノ編曲でした。「愛想曲集」はすべて自作以外のピアノ曲か、他作曲家によるピアノ編曲を演奏しています。
No. | 作曲家(編曲家) | 曲名 | 作品番号 |
1 | J.S.バッハ | サラバンド(「パルティータ 第4番 ニ長調」より) | BWV.828 |
2 | ヘンデル | 調子の良い鍛冶屋(「アリアと変奏」(チェンバロ組曲 第5番より)) | ― |
3 | モーツァルト | トルコ行進曲(ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 第3楽章) | K.311 |
4 | ショパン(リスト編) | 帰郷(「6つのポーランドの歌」より) | ― |
5 | ショパン(リスト編) | おとめの願い(「6つのポーランドの歌」より) | ― |
6 | シューベルト(リスト編) | さすらい(「美しき水車小屋の娘」より) | ― |
7 | シューベルト(リスト編) | セレナード(「白鳥の歌」より) | ― |
8 | リスト | ポロネーズ 第2番 ヘ長調 | ― |
9 | メンデルスゾーン | 紡ぎ歌(無言歌集) | Op.67-4 |
10 | シューベルト | 即興曲 変イ長調 | Op.90-4 |
11 | リスト | こびとの踊り(2つの演奏会用演習曲 第2番) | ― |
12 | グルック(スガンバーティ編) | メロディ(「歌劇『オルフェとエウリディーチェ』」より) | ― |
13 | メンデルスゾーン | 練習曲 ヘ長調 | Op.104b-2 |
14 | メンデルスゾーン | 練習曲 イ短調 | Op.104b-3 |
15 | シューマン | 密輸入者(「スペイン歌曲集」より) | Op.74 |
16 | メヌエット | パデレフスキー | Op.14-1 |
17 | J.シュトラウス2世(タウジヒ編) | ワルツ「人生は一度だけ」 | ― |
ちょっとした所感です。
<おすすめ度★★★>
「No.2」:モーツァルト「トルコ行進曲」
とにかくクセが強いです。そこがまた魅力なのです。
ライナーノーツ(藁科雅美氏著)によると、ラフマニノフによるモーツァルト作の録音はこの「トルコ行進曲」を終楽章に含む「ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調」だけとのこと。大変貴重ですね。
<おすすめ度★★>
浅学な私にとって、このCDに納められた曲は「メジャー作曲家のマイナー曲」が多い気がしますが、いかがでしょうか。
「No.13」:メンデルスゾーン「練習曲 ヘ長調」
「No.14」:メンデルスゾーン「練習曲 イ短調」
とりわけとメンデルスゾーンの「練習曲」については、まったく知りませんでした。
「No.4」:ショパン(リスト編)「帰郷」
「No.5」:ショパン(リスト編)「乙女の願い」
それから、リストの編曲によるショパンの「6つのポーランドの歌」ですね。一般的にショパンの歌曲は評価も低く、演奏される機会も少ないようです。このようなアレンジで聴くのが多いようですね。
<おすすめ度★>
「No.1」:J.S.バッハ「サラバンド」
「No.2」:ヘンデル「調子の良い鍛冶屋」
個人的には、バロック音楽にも狂喜なので、この2曲は必聴です。
「No.16」:パデレフスキー「ト調のメヌエット」
パデレフスキーと言えばこの曲ですね。とても可愛らしい楽曲です。
ラフマニノフのモーツァルト作の演奏は、結構レアなようですね。
それに、独特な演奏が魅力だ。他作曲家への解釈が面白いと感じられるぞ。
【観想】ノイズが醸す良い風味。
魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。
レコード(SP)録音のリマスタリングのため、ノイズが多分に含まれています。それがとても良い質感を伴って、耳に心地よく感じられます。
ライナーノーツ(藁科雅美氏著)によると、「ラフマニノフはレコード録音するとき、テスト中はリラックスしていたが、本番になると非常に神経質になって、プレイバックを聴くまでは、初心者のように自分の演奏の出来ばえを案じていたということらしい」とあり、その息吹までもがノイズとともに伝わってくるような幻想を抱きます。
いずれにせよ、ラフマニノフが残したレコード録音を耳にできるのは、とても幸福なことだと実感します。
音楽家の略歴です。
<略歴> セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ 【露】1873-1943 チャイコフスキーの影響を強くうけたモスクワ学派の様式を守り、ピアノ曲を中心にしたあらゆる分野の作品を残す。ロシア革命でスイスに亡命、その後はもっぱらピアノ・ヴィルトゥオーソとしてヨーロッパ、アメリカで活躍。 (「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)
やはり作曲家による演奏が、録音という形で残っているのは貴重ですよね。
他作曲家へのリスペクトという点でも、その解釈が魅力に感じられるな。
【追想】ラフマニノフに狂喜。
ラフ様、ラブとその沼です。
「アダージョ・ラフマニノフ」をきっかけとして、徐々に沼へはまっていきました。
そして、音楽作品だけでなく、その生涯についても気になり、辿り着いたのが「ラフマニノフ その作品と生涯(ソコロワ著 佐藤靖彦訳 新読書社)です。
読み応えはばっちりですが、何よりも写真が多数掲載されていることに感動しました。
書籍としては「作品と生涯」を扱い内容に類する限り、構成はオーソドックスですが、ラフマニノフの人となりを垣間見えるエピソードもあり、感服しました。
ラフマニノフの作品と生涯を綴った書籍ですね。
ラフマニノフを扱った書籍、特に日本語訳は希少なので重宝するぞ。
【雑想】下手の横好き。(第3弾)
クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。
「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。
今回は、<おすすめ度★>として紹介したヘンデルの「調子の良い鍛冶屋(ハープシコード組曲 第1巻 第5番 第4楽章)」から、主題を抜粋して制作しています。
こちらはトラックを、ピアノで作成しています。
原曲に即したハープシコード(チェンバロ)でトラックを作成した版は、「ミュージック(クラシック_01)」にありますので、是非聴いてみてください。
他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。
・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)
クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。
長く続く趣味を持ちたいです。
前回から引き続き、ラフマニノフ編でした。
ラフマニノフは自身がピアノのヴィルトゥオーソということもあり、他作曲家の作品をピアノ用に編曲した楽曲を多く残しています。
今回紹介させていただいたアルバム「愛奏曲集」に収録された楽曲は、その好例ですね。
加えて、ラフマニノフ本人の演奏で記録されているのは、甚だ幸せなことです。
では、また。
ピアニストとしてのラフマニノフが、前面に出たアルバムでしたね。
ラフマニノフの演奏が録音として残っているのも、嬉しいことだな。