こんにちは。はーねうすです。

今回は、ラフマニノフ作の「交響的舞曲/交響詩『死の島』/幻想曲『岩』」を紹介します。全編管弦楽なので、とても華やかです。

指揮はアンドリュー・デイヴィス氏です。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介した楽譜からピックアップしていますので、是非お楽しみください。

管弦楽曲ばかりなので、豪華に感じますね。

卓越したオーケストレーションを堪能できるアルバムだな。

【着想】管弦楽の迫力。

「ラフマニノフ 交響的舞曲/交響詩『死の島』/幻想曲『岩』」のコンテンツです。

「ラフマニノフ 交響的舞曲/交響詩『死の島』/幻想曲『岩』」です。
ラフマニノフ 交響的舞曲/交響詩『死の島』/幻想曲『岩』 レーベル[FINLANDIA RECORDS]

ラフマニノフの代表的な管弦楽曲の作品を集めたアルバムです。交響曲とは一味違った、物語性を感じ取れる曲想が魅力です。

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1交響的舞曲第1曲:Non allegroOp.45
2交響的舞曲第2曲:Andante con moto. Tempo di valseOp.45
3交響的舞曲第3曲:Lento assaiOp.45
4交響詩『死の島』Op.29
5幻想曲『岩』Op.7
アンドリュー・デイヴィス指揮 ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.4」:「交響詩『死の島』」

良い意味で、良く知られたラフマニノフっぽさが希薄なところが新鮮です。

ライナーノーツ(キンモ・オコンネル氏著/栗田洋氏訳)や、「クラシック音楽作品名辞典<改訂版>」(三省堂)からは、19世紀のイス象徴主義の画家アルノルト・ベックリンの同名作から着想を得たと読み取れます。

曲調としては、絵画イメージしたというよりも、絵画によるインスピレーションを詩的に表現したといった感がします。物静かで厳かな主題は、旋律で惹き付けるよりも管弦楽の響きに主がありますね。後半は一転して、高らかに歌われる旋律が印象的です。そして溜め込んだフラストレーションが解き放たれた後に訪れる静寂と、そこから淡々と奏でられるラストはまるで鎮魂のようです。

<おすすめ度★★>

「No.5」:「幻想曲『岩』」

題名からは察せない、なんともファンシーな曲調で始まる楽曲です。クライマックスでのエネルギッシュな盛り上がりも聴き所ですね。

<おすすめ度★>

「No.1」~「No.3」:「交響的舞曲」

この曲には「2台のピアノ版」があります。ですが、管弦楽版の方が華やかですね。各楽器の音色が豊かな音響になって、素敵です。また、決めで鳴り響く打楽器群が迫力を伴っていて、高揚感を抱きます。

なお、2台のピアノ版については、当ブログ「ラフマニノフ 2台のピアノのための作品全集」をご覧いただけると嬉しいです。

「ラフマニノフ 交響的舞曲/交響詩『死の島』/幻想曲『岩』」です。
ラフマニノフ 交響的舞曲/交響詩『死の島』/幻想曲『岩』 レーベル[FINLANDIA RECORDS]

交響詩ってどういう楽曲なのでしょうか。

19世紀に登場した、主に音楽以外の標題を持った交響的形式の曲だな。要は交響曲の絶対音楽的傾向から離れた、新しい管弦楽曲だな。

【観想】音楽の伝統。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

このアルバムに収められた管弦楽曲は、ラフマニノフにとって前期、中期、後期それぞれの時期を特徴付ける作品になっています。

「No.5」の「幻想曲『岩』」(1893)は、交響曲 第1番の不成功によって失意に陥るより前の作品で、前期に位置づけられる若い時分の意欲作です。冒頭からかなりファンシーな曲想で彩られています。また、末尾に向かう盛り上がりは、未来・将来へのエネルギーの発露といったところでしょうか。

「No.4」の「交響詩『死の島』」(1909)は、ピアノ協奏曲 第2番の成功により復活を遂げた後の作品で、中期に位置づけて良いでしょう。【着想】でも述べましたが、いい意味でラフマニノフっぽさが希薄なところ。実際は、ラフマニノフが好んだ中世聖歌の「怒りの日」がモチーフとして含まれていますので、「通俗性というレッテルが希薄」と但し書きに加えた方が正鵠を射ていそうですね。

「No.1」~「No.3」の「交響的舞曲」(1940)は、アメリカへの亡命時代に書かれた作品で、後期に属します。望郷を思わせるスラブ的な曲調と、中世聖歌「怒りの日」のモチーフが特徴で、集大成的な印象を受けます。

中期を挟んで、どの曲にもチャイコフスキーに代表される管弦楽の書法が、いわばロシア音楽の伝統として結実しています。曲想もしかりで、劇的な演出や物語仕立てを想起させるドラマ性は、チャイコフスキーのバレエ組曲を彷彿とさせます。

音楽家の略歴です。

<略歴> セルゲイ・ラフマニノフ
【露】1873-1943
チャイコフスキーの影響を強くうけたモスクワ学派の様式を守り、ピアノ曲を中心にしたあらゆる分野の作品を残す。ロシア革命でスイスに亡命、その後はもっぱらピアノ・ヴィルトゥオーソとしてヨーロッパ、アメリカで活躍。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

時代区分で作品を比較するのも、有意義な感じがしますね。

激動の時代に生きた作家は特にだな。時代精神や生活環境は、考察対象にならざるを得ないな。

【追想】幻想小品集の狂喜。

やはり楽譜は崇高です。

「全音ピアノピース No.263 メロディー」です。
全音ピアノピース No.263 メロディー 全音楽譜出版社

「全音ピアノピース No.263 メロディー」(全音楽譜出版社)です。ラフマニノフの「幻想小品集」の第3曲ですね。紹介する機会を逸していましたので、今回取り上げさせていただきました。

曲調としてはとても可愛らしいのですが、楽譜を見て驚愕です。右手で打鍵する和音の黒玉に目眩がします。そして所々に、オクターブを超える和音があります。ひぇ。

曲調と相反するような高難度を想像させる楽譜に出会うだけで、興奮しますね。

なお、幻想小品集については、当ブログ「ラフマニノフ〔自作自演集〕」で紹介していますので、ご覧いただけると嬉しいです。

オクターブを超える和音って、そんなに驚くことなのでしょうか。

そこ気になっちゃう?。まぁ、ブログ管理者は手が小さくて、何とかオクターブに届く程度なのだよ。ピアノ演奏もスポーツと同様、身体的特徴に左右される良い例だな。

【雑想】下手の横好き。(第21弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、【追想】で楽譜を紹介したラフマニノフの「メロディ ホ長調 (幻想小品集 第3曲)」です。

作曲家:セルゲイ・ラフマニノフ 作曲年:1892

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

引き続きラフマニノフ編ですね。

久しぶりにピアノ曲を離れ、管弦楽曲オンリーのアルバムを紹介できたという達成感がありました。

ラフマニノフの管弦楽曲といえば、どうしても交響曲やピアノ協奏曲が有名です。
ですが、今回紹介させていただいた交響詩や幻想曲も、とても魅力的な作品なのです。

このような、若干マイナー寄りの楽曲を堪能するのも、クラシック音楽の醍醐味ですね。

では、また。

ラフマニノフの管弦楽曲って、ピアノとは異なった華がありますね。豪華というか、豪奢というか。。。

ラフマニノフの場合、「ピアノ・バージョン」と「オーケストラ・バージョン」といった場合もあるので、より違いを実感できるな。