こんにちは。はーねうすです。

今回は、ショパンの「ポロネーズ集」を紹介します。ピアノ独奏用としては16曲あるそうですが、このアルバムに収められている7作品が主として「ポロネーズ集」として扱われていますね。残りの9曲は、幼少期から成人前の作品らしく、真贋が疑わしいのもあるようです。

ピアノ演奏は、マウリツィオ・ポリーニ氏です。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

ポロネーズですね。「英雄」は特に有名ですよね。

ショパンのポロネーズの代名詞だな。

【着想】土着と勇壮。

「ショパン ポロネーズ集」のコンテンツです。

「ショパン ポロネーズ集」です。
ショパン ポロネーズ集 レーベル[Deutsche Grammophon]

ショパンの独奏用ポロネーズの代表7作品が集められています。一聴してショパン作と把握できるほど、インパクトのある作品が多いですね。

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1ポロネーズ第1番 嬰ハ短調Op.26-1
2ポロネーズ第2番 変ホ短調Op.26-2
3ポロネーズ第3番 イ長調「軍隊」Op.40-1
4ポロネーズ第4番 ハ短調Op.40-2
5ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調Op.44
6ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄」Op.53
7ポロネーズ第7番 変イ長調「幻想ポロネーズ」Op.61

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.6」:「第6番 変イ長調『英雄』」

「ショパンのポロネーズと言えばコレ」というほど、インパクトがあり、その外のポロネーズの存在を希薄にしてしまうほどの威力があります。

「英雄」と渾名されるほどに勇壮で雄大な曲想が魅力ですね。

初っぱなの第1打鍵を聴いた瞬間、この曲しか思い浮かばないほど個性に溢れています。終始力強さに満ちた曲調に高揚します。

<おすすめ度★★>

「No.5」:「第5番 嬰ヘ短調」

豪胆繊細。曲想、曲調ともに変化に富んでいて飽きが来ないです。とても魅力的で素敵な音楽です。

<おすすめ度★>

「No.3」:「第3番 イ長調『軍隊』」

有名どころですね。一本調子なところが明快な印象となり、記憶に残りやすいですね。

ライナーノーツ(渡邊學而氏著)によると「ルービンシュタインも『この曲はポーランドの偉大さを表している』」とあり、ショパンの故国ポーランドの民族性を顕著に表現した作例と言えるのでしょう。


全体的には陰鬱性と薄暗さが目立つ曲調も、ポロネーズの魅力かもしれませんね。

「ショパン ポロネーズ集」です。
ショパン ポロネーズ集 レーベル[Deutsche Grammophon]

出だしの打鍵1つで、同定できるのってよっぽどですよね。

「英雄」のことだな。個性を表出する理想型だよ。

【観想】アイデンティティと音楽。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

先にも触れたように、ショパンはピアノ独奏用のポロネーズを全16曲制作したと言われています。そのうち9曲は10代に書かれたそうで、ある種ショパンにとってのアイデンティティともいえるスタイルだったのかもしれません。残念ながらこれらを聴く機会は滅多にないと思われます。なので、何かの拍子に聴く機会を得られれば僥倖と言えるでしょう。

また、オーケストラとの協奏用としての「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調」や、チェロとの二重奏用の「序奏と華麗なるポロネーズ ハ長調」があります。同じポーランドに根付いたマズルカについては、ショパンはピアノ独奏用でしか発表していないようなので、それだけにポロネーズへの思い入れの強さを垣間見られるラインアップと言えるのではないでしょうか。

因みに「図解音楽事典」(U.ミヒェルス[編]/角倉一朗[日本語版監修 白水社)によると、ポロネーズとは「ポーランドのすり足舞踏」のことで、「穏やかでしばしば憂鬱な性格をもつ」とのことです。

音楽家の略歴です。

<略歴> フレデリック・フランソワ・ショパン
【ポーランド→仏】1810-1849
ワルシャワ音楽院でJ.エルスネルに学び、ピアニスト、作曲家として成功し、1830年ウィーンに演奏旅行。その直後ワルシャワに独立運動が起こったため、帰国せず、パリに出、以後もっぱらフランスを中心に活躍。ロマン派音楽におけるサロン風ピアノ作品を新しい境地に開拓して<ピアノの詩人>と呼ばれる。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

故国愛なのでしょうか。ポーランドのトラディショナルを大切にしたのでしょう。

まさに、音楽創作におけるアイデンティティだな。

【追想】雄大な音符。

リズムに魅せられる音符の群れです。

「ショパン ポロネーズ集」です。
ショパン ポロネーズ集 上代万里江[解説] 全音楽譜出版社

「ショパン ポロネーズ集」(上代万里江[解説] 全音楽譜出版社)です。今回紹介したアルバムの7曲に加え、「番号なし」「遺作」の9曲および「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」のピアノ独奏版が収録されています。素敵ですね。

浅学に身でありながらも、左手で演奏されるリズムに特徴が現れているのがわかります。視覚的に理解を深められるのも、楽譜の良いところですね。

さて、個人的に推しの「No.5」(第5番 嬰ヘ短調)についてです。解説によると、ショパンも手紙を通して「より幻想的な新しい種類のポロネーズ」と位置づけるような言及をしていたそうです。

メジャー7曲以外にも、ショパンの幼少期に作曲された作品を、楽譜の形で眺められるのはとても嬉しいですね。

遺作の9曲も収められているのですね。

演奏される機会が少なくても、楽譜という形で残るというのが、音楽芸術の特徴ではあるな。

【雑想】下手の横好き。(第27弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したショパンの「ポロネーズ 第6番 変イ長調『英雄』」の抜粋版です。

作曲家:フレデリック・フランソワ・ショパン 作曲年:1842

他作品も含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

引き続き、ショパン編でした。

やはり「英雄ポロネーズ」ですよね。ピアノ未経験者でも、一度は演奏する様を夢想するとびきりの楽曲です。

以前に紹介した映画「シャイン」(監督:スコット・ヒックス / オーストラリア / 1996年)では、デヴィッド・ヘルフゴット少年が、小さなコンテストで「英雄ポロネーズ」を弾いた姿が描かれていました。アップライト・ピアノのストッパーが外れて動き出したのを、椅子を引きながら追いかけて演奏する様が印象的でしたね。

では、また。

英雄ポロネーズ。この1曲を聴くためだけにアルバムを購入する、という場合も稀ではないのでしょうね。

ネームバリューもあるしな。そのような理由であっても、他作品に触れる切っ掛けにもなるな。