こんにちは。はーねうすです。
今回は、ショパンの「ワルツ全集」を紹介します。
「華麗なる大円舞曲」や「小犬のワルツ」などの俗称で知られる有名曲もありますので、聴き馴染みが多分にあるアルバムになっています。
ピアノ演奏は、ウラディミール・アシュケナージ氏です。
★打ち込みクラシック
DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。
ワルツ集ですね。ウインナ・ワルツなどの舞踏曲とは一線を画しますね。
恐ろしく器楽演奏向けだな。
目次
【着想】魅惑のワルツ。
「ショパン ワルツ全集」のコンテンツです。
華麗なステップを刻む軽やかなものから、陰鬱で憂愁な想念にあるものなど、ショパン特有の旋律や音型に溢れた全集になります。こんな曲も書いていたのか、とちょっと知れただけでも嬉しくなりますね。
No. | 曲名(1) | 曲名(2) | 作品番号 |
1 | ワルツ | 第1番 変ホ長調「華麗なる大円舞曲」 | Op.18 |
2 | ワルツ | 第2番 変イ長調「華麗なる円舞曲」 | Op.34-1 |
3 | ワルツ | 第3番 イ短調 | Op.34-2 |
4 | ワルツ | 第4番 ヘ長調「華麗なる円舞曲」 | Op.34-3 |
5 | ワルツ | 第5番 変イ長調 | Op.42 |
6 | ワルツ | 第6番 変ニ長調「小犬のワルツ」 | Op.64-1 |
7 | ワルツ | 第7番 嬰ハ短調 | Op.64-2 |
8 | ワルツ | 第8番 変イ長調 | Op.64-3 |
9 | ワルツ | 第9番 変イ長調「別れのワルツ」 | Op.69-1 |
10 | ワルツ | 第10番 ロ短調 | Op.69-2 |
11 | ワルツ | 第11番 変ト長調 | Op.70-1 |
12 | ワルツ | 第12番 ヘ短調 | Op.70-2 |
13 | ワルツ | 第13番 変ニ長調 | Op.70-3 |
14 | ワルツ | 第14番 ホ短調 | ― (遺作) |
15 | ワルツ | 第15番 ホ長調 | ― (遺作) |
16 | ワルツ | 第19番 イ短調 | ― (遺作) |
17 | ワルツ | 第16番 変イ長調 | ― (遺作) |
18 | ワルツ | 第17番 変ホ長調 | ― (遺作) |
19 | ワルツ | 第18番 変ホ長調 | ― (遺作) |
ちょっとした所感です。
<おすすめ度★★★>
「No.5」:「ワルツ 第5番 変イ長調」
他のワルツとは一線を画す、一風変わった曲想がユニークです。
3拍子に2拍子の旋律を載せて得られるズレから生まれる揺らぎが絶妙です。全体的に何処か忙しなく、ころころと表情を変えるので、変化に富んでいます。無窮動と跳躍の音型に、差し込まれる束の間の優美な旋律も良いですね。結尾もオチを付けたかのようで、面白いです。
<おすすめ度★★>
「No.9」:「ワルツ 第9番 変イ長調」
一度耳にすると記憶に残る主題が印象的です。中間部のメリハリの利いた、反復の音型も主題との対比で面白く感じます。ワルツと言うよりは前奏曲っぽい曲想ですね。
<おすすめ度★>
「No.7」:「ワルツ 第7番 嬰ハ短調」
感傷性に満ち満ちた佳品です。甘美で憂愁と感じ取れる中間部に聴き入ってしまいます。
優雅で風雅、薫り高い歓楽的な様相と、憂愁で感傷、センチメンタルで内省的な様相といった二面性を味わえるワルツ集です。
知らない曲の中にも、素敵な楽曲がありました。嬉しくなりますね。
この出会いも、全集の醍醐味だな。
【観想】踊れないワルツ。
魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。
ショパンのワルツは、「No.1」の「第1番 変ホ長調」や「No.6」の「第6番 変ニ長調」などのように、無窮動的で非常に軽快な曲調は、舞踏の実用には適さない性格を多分に帯びています。
また、「No.3」の「第3番 イ短調」や「No.9」の「第9番 変イ長調」などのように、沈鬱な感情の吐露ともいった、抒情的な旋律を有する作品も多く、やはり舞踏向きとは言えそうにありません。
ライナーノーツ(福本健一氏著)には、「きわめてサロン的な趣きを強く持っており、ほとんど舞踏の実用には適さない、いわば華麗な性格的ピアノ小品」と評しています。
ワルツ形式を見事に取り込んだ、ときには華麗で、ときには感傷的なピアノ音楽と受け取って良いでしょう。
音楽家の略歴です。
<略歴> フレデリック・フランソワ・ショパン 【ポーランド→仏】1810-1849 ワルシャワ音楽院でJ.エルスネルに学び、ピアニスト、作曲家として成功し、1830年ウィーンに演奏旅行。その直後ワルシャワに独立運動が起こったため、帰国せず、パリに出、以後もっぱらフランスを中心に活躍。ロマン派音楽におけるサロン風ピアノ作品を新しい境地に開拓して<ピアノの詩人>と呼ばれる。 (「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)
明らかに舞踏の目的を外していますよね。
ピアノ音楽の表現形式に主眼があるな。
【追想】数多の遺作。
意外と多いワルツの遺作です。
「ショパン ワルツ集」(野村光一[解説] 全音楽譜出版社)です。今回紹介したアルバムには19曲が収録されていますが、この「ワルツ集」には17曲が収められています。
ライナーノーツ(福本健一氏著)によると、「ショパンが作曲したワルツは20曲が知られている」と記しています。また、「クラシック音楽作品名辞典<改訂版>」( 井上和彦[編著] 三省堂)でも、20曲をショパン作として紹介しています。
アルバムにはない1曲とは、1952年に発見された「ロ長調」の作品のようです。
加えて、アルバムにはあって、楽譜の「ワルツ集」にないのは「No.16」の「第19番 イ短調」と「No.18」の「第18番 変ホ長調」になります。比較すると面白いですね。
また、楽譜の「ワルツ集」では「No.9」以降を「遺稿(遺作)」として解説しています。実に半数近くが、ショパンの没後に出版されたという事実に大変驚かされますね。
また変わったコンペアですね。
「遺稿(遺作)」の扱いだな。ズレの原因を、いつか突き止めてみたいものだな。
【雑想】下手の横好き。(第35弾)
クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。
「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。
今回は、<おすすめ度★>として紹介したショパンの「ワルツ 第7番 嬰ハ短調」です。
他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。
・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)
クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。
長く続く趣味を持ちたいです。
引き続き、ショパン編でした。
有名な曲も多く、また「小犬のワルツ」のように愛称で呼ばれる作品もあります。そのため、「どこかで聴いた曲」という感想が多くなるかもしれませんね。
また、ワルツ自体が小規模、中規模で構成されていますので、飽きが来ずに聴けるのもこのアルバムの特徴と言えそうですね。
では、また。
確かに有名な楽曲が多いですよね。人気曲も多そうです。
ピアノの初学者でも取り組める楽曲もあることが、人気の理由のひとつかもしれないな。