こんにちは。はーねうすです。

今回は、ショパン の「12の練習曲 作品10・25」を紹介します。

ショパンの練習曲としては、ほかに「三つの新しい練習曲」というものがありますので、このアルバムだけでは練習曲の全集にはなりませんね。まぁ、ショパンの練習曲といえば作品10と作品25ですからOKです。

ピアノ演奏は、マウリツィオ・ポリーニ氏です。

★打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

練習曲ですね。別れの曲が有名ですね。

副題や愛称のある作品以外でも、聴き惚れる楽曲もあるぞ。

【着想】調性は非網羅。

「ショパン 12の練習曲 作品10・25」のコンテンツです。

「ショパン 練習曲 作品10・25」です。
ショパン 練習曲 作品10・25 レーベル[Deutsche Grammophon]

バッハの平均律クラヴィーア曲集に代表されるように、24の調性をすべて使用する作品があります。練習曲集や前奏曲集などが当てはまりますね。必須ではありませんが、ひとつの様式美になっていると思います。
ショパンの練習曲では、特に網羅している訳ではありませんね。

No.曲名(1)曲名(2)作品番号No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1練習曲第1番 ハ長調Op.1013練習曲第1番 変イ長調Op.25
2練習曲第2番 イ短調Op.1014練習曲第2番 ヘ短調Op.25
3練習曲第3番 ホ長調 「別れの曲」Op.1015練習曲第3番 ヘ長調Op.25
4練習曲第4番 嬰ハ短調Op.1016練習曲第4番 イ短調Op.25
5練習曲第5番 変ト長調「黒鍵」Op.1017練習曲第5番 ホ短調Op.25
6練習曲第6番 変ホ短調Op.1018練習曲第6番 嬰ト短調Op.25
7練習曲第7番 ハ長調Op.1019練習曲第7番 嬰ハ短調Op.25
8練習曲第8番 ヘ長調Op.1020練習曲第8番 変ニ長調Op.25
9練習曲第9番 ヘ短調Op.1021練習曲第9番 変ト長調Op.25
10練習曲第10番 変イ長調Op.1022練習曲第10番 ロ短調Op.25
11練習曲第11番 変ホ長調Op.1023練習曲第11番 イ短調「木枯らし」Op.25
12練習曲第12番 ハ短調「革命」Op.1024練習曲第12番 ハ短調Op.25

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.4」:「練習曲 第4番 嬰ハ短調」

急速なテンポと、目まぐるしく動き回る音の数々に驚きです。
また、練習曲の目的として、細々としたフレーズの音型を右手と左手で交換して弾くという、とんでもない難曲です。熱情溢れる曲調にも魅了されますね。

<おすすめ度★★>

「No.13」:「練習曲 第1番 変イ長調」

とても可愛らしい曲で「エオリアンハープ」という愛称があります。
楽曲ですが、アルペジオの中に旋律が忍ばされています。そのため、聴いた際に感じた可愛らしさとは裏腹に、その難易度のパンチが効いてきますね。

<おすすめ度★>

それから、副題付きの作品は有名ですね。

「No.3」:「練習曲 第3番 ホ長調 『別れの曲』」

説明不要で、他言無用でしょう。主要主題と中間部のギャップに閉口します。

「No.12」:「練習曲 第12番 ハ短調『革命』」

属七和音の転回形による一打から始まる、一聴して「革命」と分かる個性がありますね。左手の下降型のフレーズと、右手の激情的な和音の打鍵の組み合わせが印象的です。とてもドラマティックですね。

「ショパン 練習曲 作品10・25」です。
ショパン 練習曲 作品10・25 レーベル[Deutsche Grammophon]

非網羅って変な表現ですね。24の調性を使い切っていないということですね。

そうだな。ショパンの場合、前奏曲では網羅されているな。

【観想】副題の妙。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

ショパンは、自身の作品にタイトルを付けるのには抵抗したようです。ロマン主義の特徴である標題音楽は評価していなかったようで、絶対音楽としての在り方に美学があったようです。

そのため副題は、楽譜出版社が販促目的で付けた場合が多いようです。エピソードや曲の印象から名付けられるようですね。

中には「No.13」の「第1番 変イ長調」の「エオリアンハープ」のように、愛称として親しまれていたものもあります。

「ショパン エチュード集」(上代万里江[解説] 全音楽譜出版社)によるとシューマンの評が発端のようですね。「ショパンが演奏したの聴いたあとで、シューマンは次のように語った。『デリケートな上の音と基礎となるバスの音だけが聞こえ、エオリアンハープを思いおこさせるものである。この曲はエチュードというよりは詩である。』」とあり、いかにも文学に傾倒していたシューマンらしい表現ですね。

音楽家の略歴です。

<略歴> フレデリック・フランソワ・ショパン
【ポーランド→仏】1810-1849
ワルシャワ音楽院でJ.エルスネルに学び、ピアニスト、作曲家として成功し、1830年ウィーンに演奏旅行。その直後ワルシャワに独立運動が起こったため、帰国せず、パリに出、以後もっぱらフランスを中心に活躍。ロマン派音楽におけるサロン風ピアノ作品を新しい境地に開拓して<ピアノの詩人>と呼ばれる。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

エオリアンハープって何ですか。

そこ気になっちゃう?。自然の風力を利用した、古代ギリシャを起源とする弦楽器だな。

【追想】難曲に絶句。

黒く埋め尽くされたページに驚嘆です。

「ショパン エチュード集」です。
ショパン エチュード集 上代万里江[解説] 全音楽譜出版社

「ショパン エチュード集」(上代万里江[解説] 全音楽譜出版社)です。譜面ですが、練習曲だけあって、律儀に同型のフレーズが繰り返されているので、幾何学模様を眺めている気になりそうですね。興奮します。

特に、「No.11」の「第11番 変ホ長調」。両手で分散和音を奏でる練習曲のため、譜面が画一的な音符で埋め尽くされていて、ホワイトスペースの方が少なく感じます。

それから「No.3」の「第3番 ホ長調 『別れの曲』」。主要主題の抒情的な旋律と、ポリフォニックな音型の譜面から受ける印象の落差がすごいです。また、中間部に至っては、小節線を跨いだ記譜もあり、益々黒一色感が強まります。

「エチュード集」には、ドイツの音楽批評家レルシュタープの評をエピソードとして提示しています。「指をゆがめてしまった人がこれらのエチュードを練習すれば、それをなおすことが出きるであろう。しかしそうでない人はすくなくとも手近に外科医をかかえておらぬかぎり、こんなものを弾いてはならない」と評したそうです。かなりの辛口な皮肉ですが、発表当時この練習曲が如何に規格外であったかを示しめしていますね。

難曲であることを言外に示す、良い例ですね。

当時の批評を読むのも、楽曲を鑑賞する上でのプラスになるな。

【雑想】下手の横好き。(第37弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したショパンの「練習曲 Op.10 第4番 嬰ハ短調」です。

作曲家:フレデリック・フランソワ・ショパン 作曲年:1832

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

変則回を挟んでの、ショパン編でした。随分と間が空きましたね。

ショパンの練習曲は、その外の作品と比較してかなりエッジが効いている印象を抱きます。当時のピアノの性能と演奏技巧の組み合わせを、挑戦的に仕上げてやろうという妥協の無さを感じますね。

練習曲と言えば、ハノンやチェルニーといった無味乾燥な楽曲のイメージはあります。ですが、ショパンの作品には、演奏効果も含めて作り込まれた、薫り高い芸術性があります。

では、また。

技術的な難しさもさることながら、音楽性の上でも特異な部類に入りそうですね。

全体的に尖った雰囲気を持っているな。何かと戦っているような印象を受ける作品群だな。