こんにちは。はーねうすです。

今回も引き続き、「モーツァルト:歌劇≪魔笛≫(全曲)」を紹介します。

普段とは趣向を変えて、「モーツァルト:歌劇≪魔笛≫(全曲)」の全トラックを数回に分けて紹介しています。

今回は、第1幕の「第9場」から「第14場」までを取り扱います*。
*: CDでは歌唱場面がメインに収録されていますので、省略されている「場」もあります。

モーツァルトにとっては、畢竟の作品とも言える「歌劇≪魔笛≫」です。全編に鏤められた、モーツァルトの音楽語法が堪能できます。

演奏は、指揮がサー・ゲオルグ・ショルティ氏、ウィーン・ハーモニー管弦楽団です。

打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から1曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

「第9場」から「第14場」までの紹介ですね。

ヒロインのパミーナが登場する場が含まれているな。

【着想】神童の集大成。

歌劇≪魔笛≫(全曲)」のコンテンツです。

「モーツァルト:歌劇≪魔笛≫(全曲)」です。
モーツァルト:歌劇≪魔笛≫(全曲) レーベル[DECCA]

モーツァルトは35年という短い生涯の中で、21曲もの歌劇を手掛けています。「歌劇『魔笛』」は、その最後を彩る集大成とも言えるオペラになっています。
今回は、「第9場」「第10場」「第11場」「第12場」「第13場」「第14場」を含むトラックを紹介します。
CDでは、歌唱場面がメインで収録されていますので、実質は「第11場」から「第14場」が該当します。

CD1

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1歌劇≪魔笛≫ 第1幕序曲KV.620
2歌劇≪魔笛≫ 第1幕タミーノ:助けてくれ、殺されるKV.620
3歌劇≪魔笛≫ 第1幕パパゲーノ:俺は鳥刺しさまだKV.620
4歌劇≪魔笛≫ 第1幕タミーノ:この肖像の魅するような美しさはKV.620
5歌劇≪魔笛≫ 第1幕夜の女王:慄えないで、私のかわいい息子よKV.620
6歌劇≪魔笛≫ 第1幕パパゲーノ:フム、フム、フムKV.620
7歌劇≪魔笛≫ 第1幕モノスタトス:かわい子ちゃん、お入りKV.620
8歌劇≪魔笛≫ 第1幕パミーナ:愛を感じる男ならKV.620
9歌劇≪魔笛≫ 第1幕3人の童子:この道の先に目的地がありますKV.620
10歌劇≪魔笛≫ 第1幕タミーノ:あの童子たちの賢い教えをKV.620
11歌劇≪魔笛≫ 第1幕弁者:どこへ行くつもりか、不適な若者よKV.620
12歌劇≪魔笛≫ 第1幕タミーノ:ああ、何と強力な魔法の音かKV.620
13歌劇≪魔笛≫ 第1幕パミーナ、パパゲーノ:足は速く、心は勇気KV.620
14歌劇≪魔笛≫ 第1幕合唱:ザラストロ、万歳KV.620
15歌劇≪魔笛≫ 第1幕パミーナ:私は悪いことをいたしましたKV.620
16歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)僧侶の行進KV.620
17歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)ザラストロ:おお、イシスとオシリスの神よKV.620

CD2

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)タミーノ:恐ろしい夜だ。パパゲーノ!KV.620
2歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)2人の僧侶:女の奸計に気をつけよKV.620
3歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)3人の侍女:どうしたのですKV.620
4歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)モノスタトス:誰にも恋の喜びはあるKV.620
5歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)夜の女王:地獄の復讐がこの胸にたぎるKV.620
6歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)ザラストロ:これらの聖なる御堂の中ではKV.620
7歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)3人の童子:もう一度歓迎の言葉を申し上げますKV.620
8歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)パミーナ:ああ、私には判る、すべては消えKV.620
9歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)僧たち:おお、イシス、オシリスの神よ、何たる喜び!KV.620
10歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)パミーナ:私たちは、もう会えないのですかKV.620
11歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その1)パパゲーノ:かわいい女の子をパパゲーノはほしいよKV.620
12歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その2)3人の童子:間もなく夜明けを告げる太陽がKV.620
13歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その2)パミーナ:だから、あなたが私の花婿ねKV.620
14歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その2)2人の鎧の男:苦難に満ちたこの道を旅する者はKV.620
15歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その2)パミーナ:ああ、タミーノ、何という幸せKV.620
16歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その2)タミーノ、パミーナ:ぼくらは炎の中をくぐり抜けたKV.620
17歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その2)パパゲーノ:パパゲーナ、パパゲーナ、パパゲーナKV.620
18歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その2)パパゲーナ、パパゲーノ:パ、パ、パ、パKV.620
19歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その2)モノスタトス:さあ、静かに、静かにKV.620
20歌劇≪魔笛≫ 第2幕(その2)ザラストロ:太陽の光は夜を追い払ったKV.620

ちょっとした所感です。

<CD1_トラック_07「かわい子ちゃん、お入り」>

「CD1_No.7」:「モノスタトス:かわい子ちゃん、お入り」

軽快な調子で進行する楽曲です。

一時的に不安定さを覗かせる、女声(ソプラノ:パミーナ)による可憐な表現が魅力的です。

全体としては、管弦楽の一本調子で突き進み、勢いに乗せられるように男女混声(テノール:モノスタトス / ソプラノ:パミーナ)で合わさっていくような感があります。

後半は会話劇で進行します。

<CD1_トラック_08「愛を感じる男なら」>

「CD1_No.8」:「パミーナ:愛を感じる男なら」

柔和で温和な雰囲気から、登場人物の柔らかな印象を生み出している楽曲です。

女声(ソプラノ:パミーナ)と男声(バリトン:パパゲーノ)の重唱と呼応するように奏でられる、管楽の響きがとても素敵です。

管弦楽は終始歌を支える役回りに徹しているかのようです。

作者、演者および演奏家のリストです。

  • 音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
  • 台本:エマヌエル・シカネーダー
  • 夜の女王:スミ・ジョー(ソプラノ)
  • パミーナ:ルート・ツィーザク(ソプラノ)
  • タミーノ:ウヴェ・ハイルマン(テノール)
  • パパゲーノ:ミヒャエル・クラウス(バリトン)
  • パパゲーナ:ロッテ・ライトナー(ソプラノ)
  • 第1の侍女:アドリアンヌ・ペジョンガ(ソプラノ)
  • 第2の侍女:アネッテ・キューテンバウム(ソプラノ)
  • 第3の侍女:ヤルト・ヴァン・ネス(メッゾ・ソプラノ)
  • ザラストロ:クルト・モル(バス)
  • モノスタトス:ハインツ・ツェドニク(テノール)
  • 弁者:アンドレアス・シュミット(バス)
  • 合唱:ウィーン国立歌劇合唱団 / 合唱指揮:ヘルムート・フロシャウアー
  • 合唱:ウィーン少年合唱団 / 合唱指揮:ペーター・マルシキ
  • フルート・ソロ:マインハルトニーダーマイヤー
  • 演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ

以上、敬称略。

「モーツァルト:歌劇≪魔笛≫(全曲)」です。
モーツァルト:歌劇≪魔笛≫(全曲) レーベル[DECCA]

やっとパミーナが登場しましたね。

夜の女王サイドのメインキャラクターが出揃った、という感じだな。

【観想】ヒロインの登場。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

今回は、「歌劇≪魔笛≫」の第1幕から、「第9場」「第10場」「第11場」「第12場」「第13場」「第14場」を含むトラックを紹介しています。

ここでは、「オペラ対訳ライブラリー モーツァルト 魔笛」(荒井秀直[訳] / 音楽之友社)および「『マンガでオペラ7』魔笛」(中野京子[監修・解説] / ブロッコリー子[漫画] / ヤマハミュージックメディア)を参考に、各場を紹介してみたいと想います。

「第1幕 第9場」
「第1幕 第8場」から舞台が転換して、エジプトや中近東風の立派な屋敷のような場所になります。(後にザラストロの屋敷と判明)
そこで仕事をしている3人の奴隷の会話から、囚われの身であったパミーナが逃亡したという状況が知らされます。
また、モノスタトスという人物が、パミーナを幽閉していたことが分かります場面です。
加えてパミーナの好かれっぷりとモノスタトスの嫌われっぷりの対比が、ユーモラスに描かれています。
アリアや重唱はなく、会話劇で進行します。

「第1幕 第10場」
怒声と共にモノスタトスが登場します。
逃亡したパミーナがモノスタトスに捉えられて、連行されている場面ですね。
見るに堪えかねた三人の奴隷が、その場を立ち去ろうとします。
アリアや重唱はなく、会話劇で進行します。

「第1幕 第11場」
ヒロインであるパミーナが、悪漢モノスタトスに迫られているシーンです。
モノスタトスは三人の奴隷にパミーナを鎖で捕縛しろと命じます。
そして、パミーナは意識を失います。
可憐でありながら、死をも怖れない豪胆な少女という、パミーナのキャラクターが強く印象付けられる場面です。
重唱のかわい子ちゃん、お入りが歌われる場面でもあります。
歌唱が続く中、次の場へ入ります。

「第1幕 第12場」
パミーナ捜索ミッションのため単独行動をしていたパパゲーノが、屋敷の中にパミーナを見つける場面です。
パパゲーノとモノスタトスが鉢合わせになり、互いを「お化け」扱いして遁走するというユーモラスなシーンでもあります。
前の場から引き続き、重唱のかわい子ちゃん、お入りが歌われる場面でもあります。

「第1幕 第13場」
意識を取り戻したパミーナが、自身の状況を嘆く場面です。
母親思いを通り越して、母親依存に近いパミーナの性格を描写するシーンでもあります。
アリアや重唱はなく、会話劇で進行します。

「第1幕 第14場」
モノスタトスとのバッティングから逃げ回っていたパパゲーノが、パミーナと遭遇する場面です。
「夜の女王」という単語への反応や「絵姿」との対比から、パパゲーノがパミーナを「捜索中の王女」であることを確信します。
そして、パパゲーノはパミーナにこれまでの経緯を説明します。
歌劇内では描かれていない場面の説明、といった位置づけですね。
そこで、パミーナにタミーノという王子の存在を大アピールします。そして、パミーナは王子への恋慕を抱きます。
対して、パパゲーノは自分に恋人がいないことを嘆くというシーンになります。ですが、パパゲーナという片思い相手がいることも判明します。
そこから、パミーナとパパゲーノによる「愛への賛歌」が始まります。
重唱の愛を感じる男ならが歌われる場面でもあります。


モーツァルトの「歌劇≪魔笛≫」はジングシュピールですので、会話劇で進行する場面が多いです。
CDでは楽曲がメインに収録されていますので、会話劇で進行する場面が省かれている場合があります。

キャラクターのちょっとした感想。

  • パミーナは、可憐でありながら気丈な面も持ち合わせる、愛情豊かな乙女。
  • パパゲーノは、絶賛恋人募集中の、巻き込まれ体質を持つお調子者。
  • モノスタトスは、悪辣でありながらお化けを怖がる臆病者。
「オペラ対訳ライブラリー モーツァルト 魔笛」です。
オペラ対訳ライブラリー モーツァルト 魔笛 荒井秀直[訳] 音楽之友社

おすすめの図書です。

「"あらすじ"がわかればもっと観劇が愉しくなる! マンガでわかる『オペラ』の見かた」です。
“あらすじ”がわかればもっと観劇が愉しくなる! マンガでわかる「オペラ」の見かた 小畑恒夫[監修] ヤギワタル[イラスト] 誠文堂新光社

「”あらすじ”がわかればもっと観劇が愉しくなる! マンガでわかる『オペラ』の見かた」(小畑恒夫[監修] / ヤギワタル[イラスト] / 誠文堂新光社)です。

歴代の作曲家によるオペラ作品(歌劇・楽劇を含む)を、コミック・テイストで紹介しています。

見開きページで1作品を簡潔に紹介していますので、とても読みやすいです。

また、オペラに関する疑問を「Q&A」という形式で紹介されていることもあり、とても楽しく読めます。

モーツァルトにオペラついては、「第2章 ドイツ・オペラ」で解説されています。

曲目は、「フォガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「コシ・ファン・トゥッテ」「魔笛」です。

モーツァルトのエピソードについても「作曲家 モーツァルト」(98、99ページ)で紹介されていますので、オペラとの関わりを「作曲家の作品と生涯」の視点から知ることができます。

無論他の作曲家についても取り扱われています(全50作品)ので、大満足です。

音楽家の略歴です。

<略歴> ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
【墺】1756-1791
古典派の典型をなす作曲家。早熟の天才であり、35歳で夭逝。'84年フリーメーソンに加盟、その活動が作品にも投影する。1770年代初めまでの初期の作品には前古典派およびイタリア古典派の影響が強く見られるが、中期には典雅なギャラント様式、マンハイム楽派の様式を採り入れ、30歳以後の後期ではバロック音楽への傾倒も加わって、古典美のなかに深遠な表情をもつようになった。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

「第1幕」の「第9場」から「第14場」までの紹介ですね。ところでジングシュピールって何ですか。

ドイツ生まれの歌劇の一形式だな。主に地声で進行する会話場面と歌声で演じられる歌唱場面で構成されているぞ。ミュージカルに近しいとも感じられるな。

【追想】緻密のピアノ・アレンジ。

歌劇の魅力が詰め込まれています。

「モーツァルト 歌劇≪魔笛≫」です。
モーツァルト 歌劇≪魔笛≫ 青島広志[解説・ピアノ編曲] 全音楽譜出版社

「モーツァルト 歌劇≪魔笛≫」(青島広志[解説・ピアノ編曲] / 全音楽譜出版社)です。

青島広志氏による、「歌劇≪魔笛≫」に登場するアリアや重唱のピアノ編曲のスコアです。

青島氏がモーツァルトの「歌劇≪魔笛≫」に向けた、直向きな愛情を強く感じられる内容になっています。

「歌劇≪魔笛≫」を多角的に触れるためには、欠かすことのできない書籍という位置づけだと思います。

物語のあらすじや楽曲解説に加え、ピアノ・スコアへのアレンジの工夫点や演奏上の留意点を丁寧に説明されています。

今回紹介した場面からは、「愛を感じる男なら」(CDアルバムの曲名で、全音楽譜出版社版の曲名は「恋を知る者は」)が収録されています。

解説によると、ベートーヴェンのお気に入りの楽曲だったようで、チェロとピアノ用にアレンジしたそうです。

青島氏による、ピアノ独奏用の緻密な編曲技法にほれぼれします。

ベートーヴェンもお気に入りだったようですね。チェロとピアノのデュエットですね。

「愛を感じる男なら」のことだな。正確には「チェロとピアノ用の変奏曲の主題」として採用した、ということだな。

【雑想】下手の横好き。(第136弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、第1幕 第14場の重唱「愛を感じる男なら」*のピアノ編曲版です。
*: 全音楽譜出版社で掲載の曲名は「恋を知る者は」です。

モーツァルト:恋を知るものは (歌劇「魔笛」より)

作曲家:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 作曲年:1791
(ピアノ編曲:青島広志「モーツァルト 歌劇≪魔笛≫」全音楽譜出版社)

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)
・ミュージック(クラシック_03)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

前回から引き続き趣向を変えた、モーツァルトの「歌劇≪魔笛≫」を紹介しました。(いずれ通常スタイルには戻ります。)

パミーナがついに登場しましたね。パミーナのキャラクターを描写する演出が見事です。

また、モノスタトスの一癖も二癖もある性格を一気に知れるシーンが詰め込まれた場面でもありました。

CDではところどころ省かれていますが、ジングシュピールとしての「歌劇≪魔笛≫」の構成を強く印象付ける内容でもありましたね。

次回も引き続き、モーツァルトの「魔笛」を紹介します。

ジングシュピールがどのような「歌劇」なのか、理解できる「場」でしたね。

地声と歌声の転換によるギャップから生まれる「抑揚と起伏」によって物語が進行する構成が、ジングシュピールの魅力でもあるな。